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第36話

小瀧side
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2018/03/10 13:31
オレな、しげと会えて本当に良かった。


帰る方向は全く逆。

しげの家の方へ行こうと思えば、電車を乗り換えて1時間はかかる。

性格だって似てないし、好きな食べ物も違う。


しげは僕より先輩やし、僕はしげより後輩。




でも、初めてやったんや。




自分の病気のことを他人に自分から話そうと思えたこと。

なんでか、しげになら話せるって思った。




僕の病気のことを知った人はみんな、僕を同情の目で見た。

かわいそうって。



でも、そう言われるたび、ああ、僕ってかわいそうな人間なんやって思って。

いつしかできることじゃなく、出来ないことの方が目に付くようになった。



ジュニアになってからも、僕が遅れを取っていることを不思議に思って、心にもない言葉をかけられることもあった。



きっと、分からへん人には、一生わからへんねやと思う。





病気であることで感じる、自分でも分からない感情の数々。





でも、しげは違ってた。

「小瀧、頑張ってるんやな」

そう言って、笑ってくれた。


「小瀧にできることはたくさんあるんとちゃう?ここにおる誰にもできひんけど、小瀧にしかできひん事もあると思う」


そう言われた時、狭くなってた視界を広げられた気がした。


「小瀧は甘え上手やな!ここにいる誰よりも!オレが保証する!」


それって自慢できることなん?って首を傾げたけど、




「もっと自信もて!」

そう言って背中を押されたこと、


きっと僕は一生忘れない。



だって、

初めてその時僕は、



自分が病気だってことを忘れられたから。





思えば、濱ちゃんや神ちゃんと仲良くなれたんも、しげが声をかけてくれたおかげやったな。





きっと、オレ、一生しげには勝たれへんねやろうな。