第2話
一話 願い Ⅰ
聞き間違いよね…
近くには楽しかいないし…
話し相手が私しかいないって暴露してるし…
そういうとこも好きなんだけど。
そう。楽が不良をしているのには理由がある。
私が生まれる前、お母さんは不良に殴られたの。
私がお腹にいる時に。
だからかはわからないけど、生まれつき病気になって。
もうその不良の人達はまぁまぁな年だろうな。
もう不良なんてとっくにやめてると思う。
それでも、楽は必死になって毎日不良の相手をしてる。
って。
嬉しいんだけどね。
嬉しい反面、罪悪感もあるの。
私が楽をこんなふうにさせてしまった。
こんなふうに変わらせてしまった。
それに、本当は友達もいて、その子と遊びたいと思う。
でも、それを我慢してここに来てくれてるのも分かる。
なんでも…わかってるんだよ…?
だからさ…
思っている事全部…
打ち明けてよ…
見てるこっちが苦しくなるから…
小さい頃からずっと。
中学校が違った時も。
毎日欠かさず来てくれた。
悔しい…
ありがとうしか言えない自分が…
憎い…
私も…楽の為にできることはないのかな…
俺だって…
お前の事…わかってんだぜ…