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第80話

79 ー初夜ー 微R
6,310
2023/04/23 03:13








JK side















テヒョン
テヒョン
ん、
ジョングク
ジョングク
んぅ…ふっ
 
   




僕はさっきまで、

テヒョンイヒョンの部屋で漫画を読んでいた。





その時までは、なんてことない、

いつもの穏やかな空気が流れていたのに、

急に訪れたヒョンのキスから、

この場の雰囲気はガラリと変わった。






むせ返るような色気に包まれた、この空間。 





ソウイウ雰囲気。

  






鼓膜を犯す、ちゅくちゅくと唾液の絡む音も、


合間に吐き出す荒い呼吸音も、


我慢出来なくて漏れる甘い声も、


それから、視界にいっぱいに映り込む、

僕の口元を見つめる、伏せた三白眼も、





この部屋を取り巻く全てのものが、

甘ったるい色気を醸し出していた。




ジョングク
ジョングク
ぁ、 ふ ん…ッ






大人しかったヒョンの舌遣いが、

激しいものへと変化する。







これはちょっと…まずいかも、





ヒョンの色気に、繊細なテクニックに、

吸い込まれてしまいそうだ。


  




ヒョンの舌で犯されてる。





力が抜けて反っていく腰と共に、身の危険を感じた。






このままじゃダメだ



僕がリードしなきゃいけないんだから。











このまま、年頃の男2人が深いキスをし続けたら、

止まるなんて選択肢、浮かぶ暇なんてないだろう。








つまり僕たちは、


今夜これから、


身体を繋げる。














正直、どっちがどっちやるとか、

考えてもよく分からなかった。







どっちが抱くのか、抱かれるのか










あの夜、


テヒョンイヒョンと2人でラブホに泊まった日、

僕の記憶は空っぽだけど、

どうやら僕達は、一線を超えてしまったらしい。







だけど、その時のことをヒョンは、

気持ちが通じ合った今でも、教えてくれない。







だから僕が抱かれたのか、

それとも僕がヒョンを抱いたのか、分からないんだ。








僕は攻めたこともなければ、受けたこともない






そういう行為をするのはハジメテ。






だから、どっちの姿も想像出来なかった。









想像は難しい




だけどヒョンと、その…

え、えっち、なことは、したいと思う。







そこで、僕は周りの意見に頼ることにした。













ジョングク
ジョングク
ジョングクはスパダリ?





まるで異国の言葉を発するように、片言で呟く。







インターネットが主流の現代社会。




便利な時代、

ネットで調べれば、大抵のことはすぐに出てくる。







僕はまず、信頼できるarmyに頼った。







慣れないツイッターで、試しに、

僕たちのペア名、「グテ」と検索してみる。






下はスクロールする度に、何度か目に入った、

その言葉を、そのまま読み上げた。




どうやら僕は、スパダリってやつらしい。





調べてみると、スパダリとはスーパーダーリンの略で、

外見も内面もパーフェクトな男を指す と、

書かれていた。
 





完璧な男。
 




スパダリの意味を脳が消化していく内に、

ちょっと照れくさい気持ちになって、

気恥ずかしさを振り飛ばすべく、検索に集中する。




ジョングク
ジョングク
テテ姫?






姫ってお姫様の姫だよね?




初見の言葉が多い中、

なんとか、自分の持ち得る知識と結びつける。





テヒョンイヒョンは姫、、で、僕はダーリン?





ジョングク
ジョングク
はっ!!






点と点が線で結ばれた。



散らばっていたピースが繋がった。




僕は、気づいた。





ジョングク
ジョングク
これってそういうことだよね?

   



自分自身に問いかける。




ダーリンは、夫とか彼氏とかそういう人に使う言葉。



それでヒョンが姫ってことは…





ジョングク
ジョングク
僕が攻めなのかな、?





まぁ、そうなるよな…


勝手に1人納得し、深く頷く。




ジョングク
ジョングク
僕の方がヒョンだし






…僕、知ってるんだ。





その、なんていうんだろ




男同士の恋愛を見るのが好きな方々。







その人の中では、年下×年上が人気なんだってこと、

僕は知ってる。








もしかしたらヒョンのこと、

恋愛的に好きなのかもって思いだしてから、

悩むことが多くて、ネットで調べたことがあった。





男同士の恋愛について。







そうしたら、必ずと言っていいほど現れる、

BLという存在。





何回も何回も出てくるもんだから、

好奇心に負けてついのぞいてしまった。








いろんなBL漫画が投稿されているそのサイト。





トップの漫画をタップして、どんな感じなのかなって、

そんな、軽い気持ちで読んでみることにした。







そしたら案外面白くて、

ちょっと、えっちなシーンが多かったりもしたけど、





それを未漁ってたら気づいたんだ。






年下×年上 多いなぁって。








それを不思議に思って、また検索欄に向かうと、

その答えは簡単に出てきた。







どうやら、年下だけど中身がヒョンな方が、

攻めるのがいいらしい。






じゃあやっぱり僕が攻めだ。















ジョングク
ジョングク
ッぁ…!//  ぷはっ!
テヒョン
テヒョン
はぁ、





ヒョンのキスに呑まれそうになりながらも、

一旦身体を離す。






後もう少し遅かったら、きっと腰が抜けてた。







キスをしながら、腰を撫でるその手つきに、

変な声が漏れてしまいそうになって、

思わず手でヒョンの体を押し離した僕。







驚いたように瞬きしながら、僕の様子を伺うヒョン。






はぁ、落ち着かないと、



僕が攻めるんだ



リードするんだ








初めてのことに緊張しながらも、

男らしく気合いを入れて、

僕はヒョンのお尻に手を伸ばした。










































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