第76話

75 ーカミングアウトー
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2023/03/28 07:00









テヒョン
テヒョン
ヒョン達、、ちょっといいですか、?






昨日のジミナとの話し合いを終えて、今に至る。






目の前には、ソファーに座って、

各自、自由に過ごしていたヒョン達。





俺の横には緊張した面持ちのグガ。



そんなグガの手をしっかり握りしめる。




少し汗ばんだ手が、緊張を顕著に表してた。










昨日、拗ねてるジョングガを

なんとか説得して、話し合った。





ヒョン達に付き合ってることを、

報告するかどうかについて。





ジョングガは、すぐにそれに頷いた。
  




ヒョン達には言っておきたいです って、そう言った。






後は実行するだけ。





なのに、俺の意思とは裏腹に、

声はなかなか出なかった。






ヒョン達も、不安そうな顔で俺たちを見てる。





だけど、先を急かすようなことはしない。




俺達が落ち着くのを待っている。




テヒョン
テヒョン
ふーーっ、、





肺の中の濁った空気を吐き出す。




やっぱり怖い




引かれたら、嫌われたら、どうしようって不安になる。








だけど、、




だけど、うん、そうだな




俺にはグガがいる。




理解してくれる親友がいる。








胸にその存在を感じると、強くなれた。

  



そして俺は覚悟を決め、おずおずと、重い口を開いた。










テヒョン
テヒョン
俺達、付き合うことになりました












深く吸った呼吸と共に、吐き出した言葉。






騒がしかった部屋に沈黙が訪れる。






ぎゅっと閉じた目が、不安で開けられない。






俺の手を握るグガの手にも、力が入る。





だけど、急に耳に飛び込んできた大きな声に、

閉じていた目は見開かれた。







「「「「はあああぁぁぁぁぁっっっ、、!!」」」」






ジン
ジン
やっとかよーーっ!!
ナムジュン
ナムジュン
あーすっきりした!!


テヒョン
テヒョン
へ?
ジョングク
ジョングク
え?





周りを見渡すと、安心したように微笑むヒョンたち。




ジョングク
ジョングク
驚かないんですか、?
ジョングク
ジョングク
だって僕達、、




「男同士ですよ?」



そう言おうと思ったグガの言葉を見越したのか、

ホソギヒョンが、遮るように口を開いた。




ホソク
ホソク
そりゃ驚いたよ?
ホソク
ホソク
驚いたけど、お前ら分かりやすかったからね
ジョングク
ジョングク
そうなんですか、?




それは初耳だ。



じゃあみんな気づいてたってこと?




ジミナもこれには驚いたのか、

落ち着きなく周りをみまわしている。



ジミン
ジミン
え、ちょっと待って
ジミン
ジミン
ヒョン達気づいてたんですか?
ユンギ
ユンギ
逆にあれで付き合ってない方がおかしかっただろ
ユンギ
ユンギ
俺らももどかしかったんだよ
ナムジュン
ナムジュン
そうだよ
ナムジュン
ナムジュン
なんかあの、絶対お互い好きなのに気づいてない感じがね
ホソク
ホソク
ほんと鈍感同士って困るね





わぁ、、ほんとに驚いた。





本人でさえ気づいてなかったこの気持ちに、

ヒョン達が気づいてたことが、

予想外すぎて、本当にびっくりした。



 
ヒョンたちの、冗談混じりに嬉しそうに笑う顔。






そこに、1ミリも嫌悪の感情はなくて、

俺は床に崩れ落ちてしまいそうだった。






一気に、抱えていた緊張と不安が消えて、

全身の力が抜けていたから。




ジン
ジン
やーー!!そんなことよりお祝いしないと!!
ジン
ジン
赤飯炊かないと!!
ナムジュン
ナムジュン
ヒョン、それ妊娠した時じゃないですか?
ジン
ジン
そうだっけ?
ユンギ
ユンギ
お祝い事には赤飯だろ
ナムジュン
ナムジュン
わ、ほんとだ、めでたい時は赤飯なんだ
ナムジュン
ナムジュン
知らなかった、
ジン
ジン
やー!あってるじゃんか!!





そのやりとりを呆然と聞いていた、俺とグガ。





どちらとも言わず、同時に、お互いの顔を見合わせた。





目を大きく見開いたグガの顔と、その瞳に写る俺の顔。





どちらも気の抜けた、間抜けな顔をしていて、

思わず吹き出してしまった。






ジョングク
ジョングク
あははっ!
テヒョン
テヒョン
ははっ!
ジョングク
ジョングク
僕達の心配はなんだったんでしょうね笑
テヒョン
テヒョン
ほんとそう、、はぁぁぁ、!
テヒョン
テヒョン
良かった、、
テヒョン
テヒョン
あー良かった!!良かったよグガぁっ!!
ジョングク
ジョングク
わっ!!
ジョングク
ジョングク
んふふっ






俺は喜びのあまり、グガを思いっきり抱きしめた。




それに応えて、グガも強く抱き返してくれる。






2人で抱き合いながら、ぴょんぴょんと飛び跳ねた。








そうしていると、思わず涙がこぼれて、

グガの肩を濡らしてしまった。






嬉しすぎて  嬉しすぎて  幸せで






人って嬉しすぎると泣けてくるんだって気づいたのは、

最近のことだ。




 



ヒョンたちは、そんな俺たちを

微笑ましく見守ってくれている。






いつも見守られてたんだな俺たち。





いつもちゃんと見てくれてるから、

ヒョン達は、俺たちの気持ちに気づいたんだろう。











あーほんと、俺たちのヒョンは最高だ。




























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