第9話

縋り
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2018/04/28 05:47
杏果
杏果
か、返してくださいッ!!!
部屋中に響く渡るような大声で叫ぶ杏果ちゃん。
こんな大声…初めて聞いた…
でも、なんでメガネのことを隠していたんだ…?
詠太
詠太
やっぱりか~…
僕、君が寝てる間にメガネかけて遊んでたんだよね~♪
杏果
杏果
……はぁ!?
詠太
詠太
ちょっと~…そんなに怒らないでよ~♪
杏果
杏果
何言ってるんですか…!!!
詠太
詠太
なんで、そんなに焦ってるの?
杏果
杏果
………え…
たしかに…そうだ。
メガネにレンズが入ってない事を気づかれたからってそんなに普通焦らない、。

ただのオシャレでつけてる人だってたまにいるのに…
けど、ひとつ確認したいことがある…
奏
杏果ちゃん…
なんでさっき…メガネを拭いていたなんて、嘘ついたの?
杏果
杏果
…………
美穂
美穂
杏果ちゃん…?
涼也
涼也
お前が、『嘘』だろ。
奏
ちょ、ちょっと待って!
そういうことを僕は言ってるんじゃ…!
涼也
涼也
答えろ。杏果。
杏果
杏果
………うる、さいッ…
………え?
杏果
杏果
うるさい…うるさいうるさい!!
その瞬間…
杏果のポッケから出されたナイフで僕は…腹を刺されたんだと、思う。
それからの記憶はなにもない……
-詠太視点-
詠太
詠太
ちょ、奏くん!?
奏
ッ……!
奏くんは、杏果ちゃんのナイフによって刺され、倒れた。
まぁ…普通の人間だったら死んでたけど、奇跡的に奏くんは生きてたから、僕はさっさとベットへ奏くんを寝かせた。

もちろん包帯とか巻いといたよ?
僕は優しいから♪
詠太
詠太
君は大胆だね~…
ナイフを人前で刺すなんて!
杏果
杏果
さっきからあなたはうるさいですよ!!
詠太
詠太
えー?ひど~い…
美穂
美穂
奏さんがッ…奏、さん……
涼也
涼也
大丈夫だ。まだ生きていた。
今は痛みが強すぎて気絶してるだけだ。
奏くんの事心配してるー、。
好きなのかな~?
まぁ、そんなの関係ないけどね~♪
凛
っていうかさー?
実際どうなのさ!杏果ー?
杏果
杏果
ッ……
美穂
美穂
あなたが…やったんでしょ…?
放送主
放送主
みなさーん!裁判は進んでるかーい?
詠太
詠太
あっ、放送お姉さんだ~♪
放送主
放送主
どうも~♪
んでー?誰が『嘘』か決めたのー?
涼也
涼也
あぁ。
杏果
杏果
ちょっと…待ってよ!!
詠太
詠太
君を待って何になるの?(ニコッ
僕がその言葉を放つと、杏果ちゃんは一瞬怒り狂ったような顔をしたけど、すぐにその顔は消えて泣き出した。

あぁ、もう。

_面倒くさいなぁ__
詠太
詠太
ちょっと…なんで泣いてるのー?w
杏果
杏果
私はッ…ただ……ゲームの指示通りに動いただけなのにッ……!!!
美穂
美穂
………
美穂さんは気の毒って顔してるな~…
次は君かもしれないのに♪
まぁ、僕かもだけどね…
そう考えたら、楽しみだな~♪
放送主
放送主
じゃあ、今回の『嘘』は杏果でいいのー?
涼也
涼也
それで、いい。
詠太
詠太
同意見で~す♪
美穂
美穂
………はい、。
凛
いいよー!!!
杏果
杏果
みんな…待ってよッ…
どんだけ縋るのさ、。

もう…認めなよ。
詠太
詠太
奏くんを刺しといてさー?
そんな顔されてもなんにも心に響かないよ~?(ニコッ
杏果
杏果
そん、なッ…
放送主
放送主
じゃあ、杏果の体の一部を奪いま~す!
やっと、始まった。

杏果ちゃん、いい叫び声を聞かせてね…?
期待、してるよ♪

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