今ここでやめれば…僕らはずっとこのまま閉じ込められたまま…
もしそうなれば、僕らは誰にも気づかれないまま……‐死ぬ‐
…誰にも…気づかれない?
なんで僕は今……そんな事を考えたんだ?
誰にも気づかれないわけないのに、。
絶対に誰かが動くはず…
ここには学生が数名いる。ということは…保護者や先生、生徒が確実に動く。……はず。
もしかして…このまま誰にも気づかれないのか…?
僕らの存在は…消えている…?
えっ…もうみんな…やる気になっている?
人の体の1部を奪うんだぞ?
もしかしたら…自分の体の1部が奪われるかもしれないのにっ…
放送主は、とてもご機嫌な様子でルール説明を始めた。
この残酷なゲームの……ルールを…
ちょっと待て…奪われるのは体の一部だけじゃッ…!?
何を言っている…?
そんなの、理不尽だろ……
ッ……!
な、なんなんだよ…こいつ…
自分が今、どんな立場なのか分かっているのか…?
その瞬間、放送が切れる音がした。
これが、一通りのルール。
こんなのやるだけ無駄…そう思ってしまうのは何故なのだろうか、。
なにかがひっかかる。
ここに僕らを集めた奴は…僕らに何かをするために集めた。
なのに…こんなゲームで僕らを手放していいのか…?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!