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第27話

星が降った日
1,168
2020/01/26 17:44
父
そこでな〜
ジョングクさんのお父さんは話し上手。
いつも面白い話をして、とても心地よかった。
グクの母
グクの母
もう、お母さんびっくりしたわ〜
グク
グク
何でだよ
グクの母
グクの母
だってこんな綺麗で優しい人だったんだもの
お母さんは頬に片手をつけてウットリ。
ジョングクさんは興味無さそうに箸を進める。
グクの母
グクの母
本当は、家柄の良い女の子が良かったんだけどとても優しい子だし全然大歓迎ね
グク
グク
母さん
ジョングクさんは怒ったような声で抑えた。
お母さんは、申し訳ないような顔で謝る。
家柄の良い女の子。
私はそれに当てはまっていない。
ましてや、恋人でもない。
それが何故か苦しかった。
父
家柄なんて関係ないさ。ジョングクとあなたさんが幸せならそれで良い
グク
グク
父さん…
父
ちょっと良いこと言っちゃったー!?
グク
グク
台無しだ
私の顔は笑っているだろうか。
私の声はちゃんと聞こえているだろうか。
ねぇ、どうしてこんなに苦しいの?
どうしてこんなに泣きたくなってしまうの?
グク
グク
あなた、大丈夫か?
私の変化に気付いたのか、
隣に座るジョングクさんは小声で話し掛ける。
私はコクコクと頷いた。
グク
グク
すまん、父さん母さん。あなた酔ったみたいだ
you
you
いえ全
グク
グク
いいから
you
you
突然のジョングクさんの切り替え。
私平気って頷いたでしょうが。
父
お?そうか?少し飲み過ぎたみたいだな
グクの母
グクの母
そういえば、顔が赤いわね。お水持ってきてあげる
ジョングクさんは私の手を取り、
椅子から立たせる。
部屋で休ませる。と、両親に一言だけ。
私はお母さんから水を貰って、
ジョングクさんと一緒に部屋から出た。
ジョングクさんは無言で、手は握ったまま。
私はただそれに着いて行くだけ。
そして、1つの部屋に入った。
ジョングクさんは私から水を奪い、机に置く。
そして、私は包まれる。
you
you
あの…
グク
グク
ごめん
ギュウッ…と、苦しくなるほど抱き締められ、
ジョングクさんは私の肩に顔を埋める。
グク
グク
傷ついたよな。ごめん
多分、さっきのお母さんの発言のことだ。
傷付いていないと言ったら嘘になる。
それでも私達は恋人同士じゃ無い。
だから、傷つく顔をする権利もない。
you
you
…何故か心臓が苦しいの
多分これが、私の本心だと思う。
ジョングクさんはその言葉を聞いて、
よりいっそう強く、私を抱き締めた。
やめて。今の私を抱き締めないで。

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