何がツボなのか全然わからないけれど、
馬鹿にされているのは分かった。
え、それだけ?なんて言えないけれど、
そんな顔してる絶対。
少し笑っているけど、切り替えジョングクさん。
私の部署の前で足を止める。
ありがとうございました。と、御礼を言って、
書類を受け取る。あ、重い。
お互いにぺこりと頭を下げる。
もう終わりかと思ったら、そうでは無いらしい。
クビか?私はクビの話をされるのか?
え、なに課長に逆らいすぎ?
会議中にお菓子食べてるのバレてた?
出来るだけ行きたくないです。
私の平々凡々な生活がドン底になるのは勘弁して。
絶対死亡フラグだったわよねこれ。
そう思いながら、私は自分の机へ向かった。
あの人にしよう。
今、俺は凄い最低かもしれない。
それでも今の現状から抜け出したいのは事実。
コーヒーをカップに淹れながら、はっと気付く。
やってしまった。
でも部署と顔は分かったから大丈夫か。
シンクに両手をついて考える。
この先のことは不安だが、やらないよりはマシ。
俺は大きく深呼吸して、部屋に戻った。
コーヒーを片手にパソコンを眺める。
ジョングクさんの言葉が頭から離れない。
リストラか。リストラしか考えられないんだ私は。
ズズズッ…とコーヒーを喉に通らせる。
ミランは頭に「?」を浮かばせながら、
キーボードをカタカタと打ち始めた。
リストラされないように課長に好かれるように
振る舞えば、リストラ解消かしら。
今からでも間に合う…かな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。