私はお昼休みの時、思いっきり頭を悩ませた。
行ったらリストラ報告。
行かなかったら…だめだ。考えるな。
リストラ以上にヤバいことが起きそう。
そう呟き、自分の席を立つ。
ミランの肩に手をポンと置いて、宣言する。
にっこりと微笑み、オフィスから出ていく。
後ろから「はぁぁぁ!?」と聞こえたが、
理由は後で言うよ…。
といってもジョングクさんの所だけど。
そんなこと考えても気持ちの暗さは変わらない。
私は溜息を吐きながら廊下を歩いて行った。
コンコンと、ドアのノックがなる。
俺は書類から目を離した。
ガチャりとドアの音を立てて入ってきたのは、
ついさっき知り合った女性。
ソファに座って。と、誘導する。
少しばかり緊張しているような顔つき。
キョトンとした顔をする女性。
こっちがキョトンってしたいくらいだ。
良かったぁぁぁぁ…と、安心の表情。
まさかリストラという言葉が出てくるとは…。
すみません。と、頭を下げられたが、
俺は話を続ける。
俺は、その提案になった道筋を説明する。
所々、「?」が浮かぶこともあったけど、
大体は話が見えたらしい。
驚くことを…。と、少し笑う。
あ、綺麗。
そう思った自分をぶん殴る。心の中で。
返事は今じゃなくていいと言った。
返事は今じゃなくても、
俺の予想は1週間は悩み、結果拒否。
そういう予想をしていたのだが…。
はい。と、頷く目の前の女性。
俺は嬉しいんだが、不思議なんだか、
よくわからない感情を持っていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!