ならそれ置いて行きな。と、
アクセサリーを見ながら答えたミラン。
何故ミランはこんなに真剣になるのだろう。
お店の中だから少し音量低めだが、
めちゃくちゃ鬼の形相で迫られた。
まじ怖かったので素直に謝っておく。
はっきり言えばアンタは美人。
ビシッと人差し指を鼻に当てられる。
指差すんじゃなくて、指刺してるよねコレ。
何だろう。ミランといると女子力ないなって自覚。
少し悲しくなってきたぞ。
そう思っていると、ピアスを耳に近づけたミラン。
手に持ったピアスを見れば、
特に変哲も無い揺れるだけのピアス。
シンプルで結構使いやすいな。って、
今日の1日でこんなに女子になってきた。
そう言いながら、私の車に乗り込むミラン。
ミランの手には紙袋が3つくらい。
自分のもいつの間にか買ってたみたいね。
ジョングクさんが可哀想。と、
ミランが泣きそうになっている。
あの人のこと全然わかんない。とは言えない。
もう契約してから1ヶ月になる。
それでお互いのこと何も知らないと言ったら、
なんて言われるか…。
ジョングクさんも頑張ってるだろうしね。と、
ミランは悟ったように呟いた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。