ルンルン気分で俺の部屋に入ってきた父さん。
何があったのかと聞けば、それは嬉しそうに
「あなたさんと話しちゃった!」と。
うわぁ…出た純粋なオッサン。
母さんの次に綺麗だ。と、ベタ褒めだ。
ちゃっかり母さんもベタ褒め。
決まってねぇよ。
何が可愛くて家に連れてこいだ、この変態。
両手を頬に当ててぶりっ子。
ちょっと吐き気が酷いからトイレ行きたい。
ソファの隅に座る父さん。
いつにも増してテンション高いからか、
沈むのが分かりやすすぎる。
父さんまでもがあなたの美人に気付いてやがる。
「もっとメイクとかさー」、「髪巻いたりさー」と
脳内お花畑なコメントばかり。
うるさいなぁ。と、パソコンに向き合う。
仕事はどうしたんだよ。と、父さんに聞けば、
終わらせてきたっ!と自慢げ。
社長に仕事の終わりはないって言いたいわ。
絶対にそれは無い。断言できる。
こんなテンション高くないし。
尻尾見えるよ。と言えば、
え!?と、腰あたりを手で隠す。
まじかこのオッサン。
父さんは楽しそうにケラケラ笑う。
コントみたいな会話が日常会話の俺たち。
ツッコミとボケの立場はわかっているだろう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。