あれ、何か段々とジョングクさんに対して
私結構冷たくなってない?
まぁ、相手も気にしてなさそうだけど…。
俺を誰だと思ってる。チョンジョングク様だぞ。と
ドヤ顔で言われても。
クシャッと可愛い笑顔で笑うジョングクさん。
不覚にもキュンとしてしまった。
えぇい!消せ消せこの感情!
絶対楽しんでる。
アンタが一番危うい危機的状況に立ってるのに、
めちゃくちゃ今の状況を楽しんでいる。
私は、ジョングクさんの部屋から出て、
廊下の壁に寄りかかりながらしゃがみこんだ。
きっとこれから、2人の時が増える。
それを見られても「恋人」と言われるだけ。
本当はそんな関係じゃないの。
貴方達が見ているのは偽りの関係で、
本当はそんな純粋なものじゃない。
ジョングクさんの母親からは、
まだお見合いの電話が掛かってくると言っているし
条件は「相手がいなくなったら」だから。
それがクリアされるまで、私達は偽りを貫く。
オッケー出した自分がいけないのは分かってるけど
親友のミランにも言えないのは辛い。
私は頬をパチンと叩き、立ち上がった。
切り替えるのよあなた。私は強いの。
そあ自分に小さく言い聞かせて廊下を歩いた。
後ろから伸びてきた手にも気付かないまま。
そう言いながら私の肩を掴む男性。
待って、知らないこの人。
俺の人気も下がったかなー。と、眉を下げる。
…記憶にあるのはボンヤリとしたシルエットだけ。
嫌だから。そう言おうと思った瞬間、
私は後ろにいた男性に壁に押し付けられる。
私は怪訝な顔で相手を伺う。
私は言葉を失った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!