第13話

エレノアとアイリス
199
2019/02/08 16:02
エレノアは、前を見据えていた。

今までとは別の視点で、前を見据えていた。
エレノア
エレノア
…これから、どうしたらいいですか?
いつも通り、「アイリス」に答えを委ねる。

エレノアを後押しするかのように、
風が優しく吹き抜ける。
エレノア
エレノア
私には…まだ実感がないんです。
これからの未来が、
私自身で決まると思うと…
エレノア自身には自信はなく、
いつも通り、声量を下げてしまう。

アイリス
アイリス
エレノア。
貴方は一人じゃないわ。
しかし、そこに現れた一つの光がある。

そう、「アイリス」だ。
エレノア
エレノア
アイリス…様?
アイリス
アイリス
ええ、当たりよ…エレノア。
普段の彼女とはうって変わり、
物静かにエレノアの元を訪れたアイリス。

何を伝えようとしているのか。
エレノア
エレノア
…アイリス様。
私は、どうすればいいですか?
今まで、この事を
ずっと考えてきました。
けれど、何も出てこない。
私は、何をすればいいか。
全く、分からないんです。
アイリス
アイリス
大丈夫よ、エレノア。
前に、闇の王子が言っていたでしょう?
貴方は、一人なんかじゃない。
貴方を信じてくれる人が居る。
時には、他人に頼る事も大切よ。
エレノア
エレノア
あっ…!
アイリスの一つ一つの言葉が、
優しく語りかけるように、
エレノアに伝わってくる。
その助言で、何かを思い出した。
エレノア
エレノア
そうですね…
アイリス様の言う通りです。
私は、一人ではない。
グラハムさんの言う、
「友」が居るのだから。
アイリス
アイリス
私もその一人よ、エレノア。
例えこれから先、
貴方と会う事が叶わなくても…

私は、貴方の友であり続ける。
貴方の心の中で、生き続ける。
だから、決して一人じゃないわ。
エレノア
エレノア
アイリス様…!
その一つ一つの言葉に、
アイリス自身の優しさを
感じ取ったエレノア。

「アイリス様」と呼ぶその声が
エレノア自身とアイリスを優しく包む。


エレノアは、泣きながらも決意を固め、
そしてアイリスを見る。


二人の「光の王」の過ごした時間は、
永遠に、語り継がれていく事となる。


エレノアとアイリス。
この二人の出会いこそ、
未来の鍵を握る、重要な運命かもしれない。

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