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第15話

変化
278
2019/08/06 11:35
とある場所で一人、エレノアは想う。

一人の女性を想う。


そう、アイリスだ。


その「アイリス」がまるで、自分に
語りかけているように、風が応える。
そんな、奇跡のひと時を過ごしたエレノア。



そのひと時を堪能したエレノアは、
静かに倒れ込んでいた。

今回は、それから目覚めた時の話だ。
エレノア
エレノア
っ…?
ある時、エレノアは目覚める。
周りを見渡してみると、
見慣れた光景が目に留まっていた。

行き着いた先は宿屋のベッドだった。
この時、自分が知る誰かが自分を
「飛行島」に連れてきてくれたのだろうと、
エレノアは思った。
エレノア
エレノア
…私は…何を…?
エレノアはゆっくりと体を起こして、立ち上がる。

ふと目を凝らしてみると、食事が置いてあった。
エレノア
エレノア
…誰が作ったんでしょうか…?
でも、置いておくのも悪いですし…
ここは食べてみましょう。
偶然すぐ近くに置いてあった
箸やスプーンを使って、料理を口に運ぶ。

そこで、エレノアは大事なことに気付いた。
エレノア
エレノア
…!
一口食べただけで、それは現代の
「アイリス」の料理だと、察した。


つまり、エレノア風に言えば、
これは「アイリス様」ではなく、
「アイリスさん」だ。
エレノア
エレノア
…ありがとう、ございます。
アイリスさん。
料理を静かに一口ずつ噛み締めながら、
涙を流しては食べ進めていく。

その時、宿屋のドアが開いた。
「やっほー、エレノア!元気だった?」

勢い良く入ってきたのはキャトラだった。
エレノア
エレノア
キャトラちゃん!?
どうしてここに?
「ふふっ、その様子だと元気そうね。」
キャトラを追ってきたのか、
アイリスも宿屋に入ってくる。
エレノア
エレノア
…アイリスさん。
料理、作ってくれてたんですね。
「でも、助けたのはあなただけどね♪」

アイリスに一礼するエレノアを見た
キャトラが、笑うようにして口を挟む。
エレノア
エレノア
あなた闇の王子さんが…?
「あなたは、偶然そこに居ただけって
言ってるけど…彼は優しいから。
きっと何処に居たとしても、
彼は貴方を助けてるはずよ。」



驚きを隠せないエレノアを、
優しくフォローするアイリス。


この時、エレノアは以前にグラハムが
言っていた事を思い出していた。
エレノア
エレノア
…持つべきは「友」なのだ、と。
ふふっ、グラハムさんの
言う通りですね。
私はこんなに良い友を持てて幸せです。
辛い事も、敵として戦った事もあった。

しかし、アイリス達は気にすることなく、
「仲間」として、エレノアを見続けた。


そして、今がある。




エレノアは、アイリス達に感謝をするような
雰囲気で、また薄らと涙を流した。

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