最近吐き気がすごい
ご飯を食べても、何をしてても
これはもしかしてと思った時にはもう遅かった
それは本来僕のセリフ
あんたが勝手に襲って出来たんでしょ
腐ってもこいつが父親だけど
そんなことはどうでもいい
1人で育てればいい話なんだから
この子にはなんの罪もないんだから
それを聞いた瞬間僕のなにかが切れた
初めて、歯向かってしまった
この子にはもっともっといっぱい素敵な人生歩んで欲しかったのに、この子と一緒に人生終わるんかな
副会長は黙っていた
長い長い沈黙
すると、コツッと音がして音の元を見ると副会長がこっちに近づいて来ていた
まずいと思い、咄嗟にお腹を守った
僕は蹴られてもいい、けどこの子は…
下を向いて目をギュッと閉じる
でも副会長がとった行動は
僕を静かに抱きしめる事だった
何が起こったの?
お腹を蹴られたわけでもなく
僕自身が蹴られたわけでもなく
抱きしめられてる…?
目線が合った時、最初の怖さなんかどこにもなくて
ただ、愛しい人を見るように僕を見つめていた
あぁ、この人はこんな顔もできるんだ
そう思うとさっきまで怖かったのに少しだけほんの少しだけこの人を愛しいと思った
この子のおかげなの、かな…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。