目隠しをされて
俺の予想でははや1時間30分は経った
椅子に座らされた俺の周りを多分生徒会書記ジェルくんが歩いてる
特になにをされる訳でもないので
特に声を荒らげることもないんだけど
ひとつ怖いことが
ずっと笑ってんのこの人
え、怖い
普通に怖い
意味がわからない状態で笑われると身がすくむんだよなぁ
するとジェルくんが口を開いた
ひたひたと冷たい手が俺のほっぺを触る
ほんとに、ほんとに、怖い
よかった、俺の声は届くみたい
付けられたのに外されると思っていなかった俺は
案外すんなり外されたことに驚きを隠せない
あ、そういう…
みんなの部屋もこうなの?
それはそれで怖いけどもっ…
みんな大丈夫、かな…
どうか、みんなが無事でありますように
あとこの人どうにかして…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。