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第7話

7

夏休み明けから、俺は学校へ行くようになった。2つの空っぽの席には花が添えられていた。
記憶のなかのクラスには桜一朗はいるけれどもうここにはいない。

いないんだ。

俺もお前も悪い人でよかったな。


あの日の蝉の泣き声がいつまでも頭にこびりついて離れない。
くしゃみをして寒さを感じる度、あの冷房のきいた冷たい部屋を思い出す。

俺たちは酷薄な関係だったけれど、誰よりも親しかった。


燻っていたあの夏に焦がれて息をしている。
それでも満たされないのは。

今でも俺はあの電車にのっては夏夢駅まで行って花を置くんだ。

この世界で生きることと戦ったお前のために。