わたしの手を握ると、騒いでる女子を無視して歩くねこ助。
…女子からの視線が痛い。
クラスの女子もちらほら
あぁぁ、明日は大変だ…
女子からの怖い怖い視線に耐え、なんとか学校を抜け出した。
ねこ助とは手を繋いだまま。
ねこ助はニコニコしながら私の方を見た。
ねこ助は歩く足を止めずに、そう言う。
そう言うとねこ助は足を止め、少し屈んでわたしの目線と合わせて口を開いた。
ちょっと何言ってるか分かんない。
……1歩間違えれば犯罪だろ、みたいな変態な言葉。
なのに、ちょっと熱くなったわたしの顔。
ぐいっと顔を近づけてくるねこ助。
さらに熱くなるわたしの顔。
ニコッ(っていうかキラッ)っと笑うと、私の手を再度ぎゅっと握って歩き出したねこ助。
最高の笑顔でそんなこと言われちゃったら、ダメですよ、ねこ助さん。
そんな変態フレーズで照れちゃってるわたしの方が、きっとだいぶおかしい。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。