そこにいたのは、綺麗な小さな白猫。
なにこの猫。かわいい。てか美しい。
急に降り出した雨のせいか、綺麗な白い毛並みがぺったんこ。
しかもところどころ泥で汚れてる。
わたしは猫の隣にしゃがみこんで、カバンからハンカチを出す。
今は亡きおばあちゃんからもらったかわいい花柄のハンカチ。
これで泥で汚れた猫を拭くのには抵抗があるけど…
ハンカチで猫を優しく包むようにする。
「…ミャア」
拭いてあげると、嬉しそうに(多分)鳴いてる白猫。
ちょっとだけだけど元気になったみたい。
しかもこのハンカチ気に入ったみたいで離してくれないし。
「ニャァァ!!」
コイツ…ちょっとどころじゃねぇ…元気になりすぎや…
にしてもこのハンカチ気に入りすぎだろ…
白猫をビシッと指を指す。
……何してんだろ私。
猫が返しに来るわけないだろ。私ってば雨で頭おかしくなっちゃったのかな(?)
空を見ると雲の間から太陽の光がちらちら射し込んでいた
立ち上がって白猫に手を振る。
「ミャア」
…猫は私なんて気にもとめずハンカチで遊んでるけど。
もうちょっと懐いてくれてもいいじゃん。もう。
ちょっと猫を睨みつけてわたしは神社を後にした。
________この時の私は、あんなとんでもないことが起きるなんて思ってもみなかったのだ_____(?)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。