仮入部が終わり、今日からバスケ部の部員として活動していく。
初日の活動内容は、シュート練習だった。
私は、小学校1年生から地域のバスケットボールクラブに入っていたから、シュートは得意だった。
私がシュートを1本打つと、そら先生はこう言った。
そら先生が自己紹介をしたあの日から、そら先生は変わってしまった。クラスのみんなには塩対応だし、私にはなんでもかんでも押し付けてくる。
そう言って、私は何本も何本もシュートを打つ。
すると、そら先生はこんなことまで言い始めた。
私は先生の言う通りに、シュートを打ち続けた。
なんだか、足が動かない。
寒くもなってきた。
やばい。
そう思った時には、もう私は倒れていた。そして、意識を失った。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!