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第3話

SKY HUGの過去。
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2019/01/02 08:22
SKY HUG結成のきっかけ…





それは、まるで神様の悪戯のよう…






なんて言えるようなものじゃないけど、笑
私的には好きなエピソード。
みなさんにも教えます!

あれは5年前…みんな高校生だった。
かずやんは高3、りゅうたんとるうたんが高2。
みんな同じ高校。同じバスケ部。
そしていつもレギュラー。

そんな彼らは、特に将来に向けてやりたい事とか、大学進学とか、そんな夢は一切持っていなかった。
みんな、高卒でも、働ければいいや!みたいな。

そんな中、彼らの運命が大きく動いたのは学園祭。
かずやんが、「最後に思い出作りたい!」そう思って、
バスケ部の仲間と、学園祭でなんかやろう!って思いついた。

でも、そんなのに乗り気じゃない人ばかりで。
そんな中でも「仕方ないな」みたいなので入ってくれたのが、りゅうたんとるうたん。
後から知った話だけど、本当はるうたんはやりたくなくて、りゅうたんに無理やり誘われたんだって笑

でもね?その二人だけじゃなかった。
もう一人、奏翔(かなと)っていう人もいた。奏翔も高3。
だから、この四人でなんかやろうって決まった。

それで色々考えて、なんとなく「俺らまぁまぁ歌うまいし、歌おうぜ!」ってなって。
その四人で結成したのは“WhiTe”っていうグループ。
といっても、芸能界でもやろうなんて思わなかったし、とりあえず、それっぽくやろう!的な?

そこからは、WhiTeの四人は放課後、部活の後とかでも、集まって
喉を痛めそうなほど練習し続けた。3か月も。

そして、ついにやって来た学園祭当日。
なぜかWhiTeはトリを務める事に。もちろん4人はすごい緊張してた。

そんな4人を落ち着かせたのが奏翔。
それぞれに声をかけて、みんなを笑顔にしてくれた。

みんなリラックスした状態で本番に臨めた。
それで本番は大成功。たくさんの拍手がWhiTeに送られた。

そこで、彼らは決める。
高校を卒業しても、この4人でやっていこう、と。

それからは、高校に入ってる間はしっかり勉強を頑張ろうと頑張った。
だから、みんなテストの点数は上位に入ってた。

そして無事に高校卒業。
オーディションを受けて、見事合格。

でもね?こういうのは順調にはいかないの。
なんとなく予想してるだろうけど、不運は奏翔に降りかかった。




ある日、かずやんのところに来た一本の電話だった。



突然…すいません…
木野一弥くん…?
その声は、泣いているのかとても震えていた。
木野一弥
あ、はい…そうですが…
私、奏翔の母です…
木野一弥
あ、そうですか…
えーっと、なぜ僕に電話を?
奏翔の母
WhiTeの他のメンバーを連れて…市松病院に来てくれませんか…?
木野一弥
え…奏翔になんかあったんですか!?
奏翔の母
奏翔が…死んじゃうかもっ…
木野一弥
えっ…
分かりました!ふたりも連れて今すぐ行きます!
かずやんは急いで2人に電話をして市松病院へ向かった。

看護師さんに部屋を聞いて、奏翔の部屋に行くと。



そこには泣いている奏翔のお母さんと、包帯をぐるぐる巻きにしてベットに寝ている奏翔の姿があった。
坂野流太
どうしたんだよ…なんでこんなことになってんだよ!
奏翔の母
この子…歌の練習から帰ってくるときに…すごい勢いで来た、信号無視をした車に…
運転してた人は酔っ払ってたみたいで…今、警察に…
佐々木龍雅
分かりましたから…もうそれ以上無理して話さないで下さい…
奏翔の母
えぇ、ありがとぅ……
それからみんなは泣き続けた。
みんななんとなく分かってた。






奏翔に、もう望みはないんだろうって…






もちろん見捨てたいわけじゃなかった。
でも、もう無理かもって。

でも、奏翔はみんなの気持ちにこたえようと力を振り絞って頑張ってくれた。
それは、みんなが来て1時間くらいたった時。

その時はみんなもう泣きやんでた。
というより、涙が出尽くしてた。

そんなとき、
桜庭奏翔
ぅっ…
木野一弥
奏翔!?
奏翔の母
えっ…
坂野流太
奏翔…
佐々木龍雅
奏翔ぉ…
桜庭奏翔
迷惑かけて…ごめん…
母さん。今までありが…とう…
WhiTe、これからも続けていって…
見守ってるか…ら…
木野一弥
え…俺らはずっとWhiTeだろ!
なんで見守るなんて言うんだよ…
桜庭奏翔
頑張れよ…







ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



病室に響いたのは、冷たい機械音だった。
奏翔は、みんなに見守られて逝けたから、幸せだったかもしれない。
大事な仲間がそこにいたから。









残された3人は奏翔に言われた通りWhiTeを続けていこうと誓った。
でも、“WhiTe"のままでは続けられない気がして。


だから、空にいる奏翔の気持ちを抱きしめながら頑張っていこう。
そういう気持ちを込めて、グループ名を“SKY HUG"にした。

彼らは売れない時期も、奏翔が見てくれていると信じて、もがき続けた。
そんな中、SKY HUGの曲がCMに使われることに。
それが起爆剤になり、映画の主題歌を担当したりするようになった。

そして、それをきっかけに人気急上昇。ファンの数も増えた。
でも、ファンの中ではあまり奏翔のことは知られていない。
下積み時代からのファンの方は知っている方が多いけど。

知っているファンの方々は、気を遣ってくださっているのか、あまり他の人には教えない。
SKY HUGのメンバーも、「俺らが暗い話するのは俺ららしくないし、奏翔もあまり望んでないだろう」ってことで話さない。

そうやって人気を獲得し始めたころ。
私がマネージャーになった。


その話は今度します!作者が珍しく長い文章だから疲れてるらしい笑
という事で、えーっと、暗い話だったけど、読んでくれてありがとうね。

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