2人の現在。
2人の仕事が終わったある日の夜。
月兎の、一人暮らしのアパートで酒を飲んでいた。
少し月兎は、飲みすぎて寝てしまった。
月兎を抱きかかえ、ベッドにつれて行く。
ベッドに寝かせる。
ベッドに腰をかけ、寝て居る月兎を見つめる。
あれから何年もたって居るのに。
命音はあの時の事が、忘れられずに居た。
寝て居る月兎の、服のボタンを少し外していく。
その隙間から見える首筋と唇に、
"キス"をする。
初めての快感と言う物に。
頭と身体が、逆らえずに居た。
3週間後、月兎のアパート。
月兎と、幸の関係は今も続いて居た。
月に1.2回アパートに来る。
ベッドのきしむ音。
幸は服を着て。
そう言って月兎に、キスをする。
そして何も無かった様に、妻と子どもの居る
家に帰って行く。
月兎は何で、アイツから逃げられないのか。
ベッドの上で、涙を流しながら膝を抱え
声を出さず泣いていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!