第10話

9話
117
2022/07/10 20:39
幸は、ゆっくりボタンを外しながら。
月兎に話しかける。
幸(コウ)
誰にも言っちゃダメだよ。
僕と、月兎だけの秘密。
どう言う事か分かるでしょ?話したらどうなるか。
ベッドに月兎を倒す。

イヤな手つきで、身体を撫で回す。
月兎は怖くて、抵抗出来ずに居た。

涙が溢れて来る。
月兎(つきと)
やっ…うぅ…
月兎に、覆いかぶさる。


月兎は、その時の事をよく覚えていない。
ただただ、恐怖と不快感。

突き上げられるたびに、体に流れる痛み。
耳元で、"愛しているよ" "カワイイ"と
ささやく声。


これだけが、記憶に焼き付いている。



その日の夜、部屋から出れなかった。
あんな事があった部屋だが、
どんな顔をして、母親の顔を見たらいいか分からない。

月兎母
月兎。
いい加減に出て来なさい。
幸くんの彼女も、来てるのよ。
月兎(つきと)
…うん…
部屋を出る。

みんなが集まっている場所に行くと。
そこには、両親と幸、彼女4人がいた。

椅子に座って、何も無かった様に彼女に話しかけ。
肩や、髪に触れて居る。

一見幸せそうな恋人同士だが。
月兎にとっては、怖い光景だった。

幸が、何を考えているか分からなかった。



その怖さが、逆らえないと言う鎖を月兎の体中に巻き付けた。

プリ小説オーディオドラマ