付き合って2年目というのに、
毎日のように喧嘩をしている。
ジミンヒョンが悪い時もあれば、
僕が悪い時もある。
だけど、大体の喧嘩はすれ違いでの喧嘩だ。
でも、本当に喧嘩が耐えない。
「なんでそれも分からないの!?」
また始まった。
ジミンヒョンは怒るとヒステリックになる。
言動も荒々しくなって、冷静じゃなくなる。
だから僕が言ってしまったら、
もっと言い合いになるから
僕だけでも冷静でいなきゃならない。
「………。」
「だからさ。いっつも揉めたら黙んの
マジでやめろよ。」
「……話したところでずっと言い合いになるだけじゃないですか。」
「なんかもう疲れた。
毎日のように喧嘩喧嘩。
最初っから俺たちは合わなかったんだよ。
別れよう。」
「……本当に言ってますか?」
「ああ。」
「分かりました。」
(( バタン ))
扉を思いきり閉めて練習室を出た。
《 JM Side. 》
また喧嘩をした。
毎日のように喧嘩をする。
今日だけじゃない、今日だけじゃないけど、
「別れよう」
なんて初めて言ってしまった。
決して本心なんかじゃないのに。
別れたくない。
ずっとグガと一緒にいたい。
感情に任せて思ってもないことを
言ってしまった。
自分から言ってしまったのに、
ボロボロと涙が溢れ出てくる。
グガとの色んな思い出が蘇ってきて、
「別れよう」
この4文字の言葉が酷く深く、重く、のしかかる。
もう、「ヒョン〜」なんて
甘えた可愛い声で俺の隣に来てくれることはないのだろうか。
もう、2人でどこかへ行くこともないのだろうか。
気がついたら練習室を出ていた。
《 JK Side. 》
「別れよう」
初めて言われた言葉だった。
涙が止まらない。
今でも苦しいくらいヒョンが好きなのに、
もうヒョンとは一緒に居られないのか。
誰が僕を起こしてくれるの?
誰が僕を優しく抱きしめてくれるの?
ヒョンが僕の全てだった。
愛していた。
今でも。
ずっと一緒だと勝手に思っていた
自分が馬鹿みたいだ。
(( ガチャ ))
「ジョングガ!!!!!!」
気がつくと僕は、
暖かい胸に包み込まれていた。
「ジョングガ、ごめん。」
僕の肩が濡れていくのが分かった。
「グガ、感情に任せて思ってもないことを言って、ごめん。許されることじゃないよね、ごめんね。」
「でも俺はずっと、ずっとグガと一緒にいたい。永遠に僕の隣にいて欲しい、笑って欲しい。」
「グガがいない人生なんて考えられない、本当にごめんね、ごめんなさい」
僕を抱いている腕は一層強くなった。
「………ズルいですよ、ヒョン」
涙が溢れて止まらなかった。
「いっつもヒョンから僕を突き放してるのに、大好きだ、愛してるだって酷いじゃないですか。僕だって、大好きだし愛してるに決まってるじゃないですか。」
「喧嘩した時も、これが最後だったらどうしよう。本当に嫌われたんじゃないかな。ってずっと不安でしょうがないのに。」
「別れようなんて聞きたくなかったです。ヒョンなら尚更です。」
「僕もヒョンとずっと一緒にいたいです。これからも。多少の喧嘩なら僕が受止めます。だからヒョンはずっと僕の隣で笑っていてください。」
「僕がヒョンを幸せにします。」
ヒョンとずっと一緒にいたいんだ。
笑った顔も泣いた顔も怒った顔も
嬉しそうな顔も、
全部僕だけのものにしたいんだ。
ヒョンは大きく頷いて、
「うん、うん、ごめん、ごめんね、グガ」
とずっと呟いていた。
僕もずっと愛してるよ
だからもう離さないでね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。