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第1話

喧嘩。
5,488
2019/11/11 14:31
付き合って2年目というのに、
毎日のように喧嘩をしている。
ジミンヒョンが悪い時もあれば、
僕が悪い時もある。

だけど、大体の喧嘩はすれ違いでの喧嘩だ。
でも、本当に喧嘩が耐えない。









「なんでそれも分からないの!?」


また始まった。
ジミンヒョンは怒るとヒステリックになる。
言動も荒々しくなって、冷静じゃなくなる。
だから僕が言ってしまったら、
もっと言い合いになるから
僕だけでも冷静でいなきゃならない。


「………。」

「だからさ。いっつも揉めたら黙んの
マジでやめろよ。」

「……話したところでずっと言い合いになるだけじゃないですか。」

「なんかもう疲れた。
毎日のように喧嘩喧嘩。
最初っから俺たちは合わなかったんだよ。
別れよう。」

「……本当に言ってますか?」

「ああ。」

「分かりました。」


(( バタン ))

扉を思いきり閉めて練習室を出た。


















《 JM Side. 》

また喧嘩をした。
毎日のように喧嘩をする。
今日だけじゃない、今日だけじゃないけど、

「別れよう」

なんて初めて言ってしまった。
決して本心なんかじゃないのに。

別れたくない。
ずっとグガと一緒にいたい。
感情に任せて思ってもないことを
言ってしまった。

自分から言ってしまったのに、
ボロボロと涙が溢れ出てくる。

グガとの色んな思い出が蘇ってきて、

「別れよう」

この4文字の言葉が酷く深く、重く、のしかかる。


もう、「ヒョン〜」なんて
甘えた可愛い声で俺の隣に来てくれることはないのだろうか。
もう、2人でどこかへ行くこともないのだろうか。

気がついたら練習室を出ていた。










《 JK Side. 》


「別れよう」

初めて言われた言葉だった。
涙が止まらない。
今でも苦しいくらいヒョンが好きなのに、
もうヒョンとは一緒に居られないのか。

誰が僕を起こしてくれるの?
誰が僕を優しく抱きしめてくれるの?

ヒョンが僕の全てだった。
愛していた。
今でも。

ずっと一緒だと勝手に思っていた
自分が馬鹿みたいだ。





(( ガチャ ))



「ジョングガ!!!!!!」


気がつくと僕は、
暖かい胸に包み込まれていた。


「ジョングガ、ごめん。」


僕の肩が濡れていくのが分かった。


「グガ、感情に任せて思ってもないことを言って、ごめん。許されることじゃないよね、ごめんね。」

「でも俺はずっと、ずっとグガと一緒にいたい。永遠に僕の隣にいて欲しい、笑って欲しい。」

「グガがいない人生なんて考えられない、本当にごめんね、ごめんなさい」


僕を抱いている腕は一層強くなった。


「………ズルいですよ、ヒョン」


涙が溢れて止まらなかった。


「いっつもヒョンから僕を突き放してるのに、大好きだ、愛してるだって酷いじゃないですか。僕だって、大好きだし愛してるに決まってるじゃないですか。」

「喧嘩した時も、これが最後だったらどうしよう。本当に嫌われたんじゃないかな。ってずっと不安でしょうがないのに。」

「別れようなんて聞きたくなかったです。ヒョンなら尚更です。」

「僕もヒョンとずっと一緒にいたいです。これからも。多少の喧嘩なら僕が受止めます。だからヒョンはずっと僕の隣で笑っていてください。」

「僕がヒョンを幸せにします。」


ヒョンとずっと一緒にいたいんだ。
笑った顔も泣いた顔も怒った顔も
嬉しそうな顔も、
全部僕だけのものにしたいんだ。


ヒョンは大きく頷いて、

「うん、うん、ごめん、ごめんね、グガ」

とずっと呟いていた。


僕もずっと愛してるよ
だからもう離さないでね。

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