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第34話

託されたバトン


あの試合で、私たちは見事優勝を勝ち取った。


そして、ついに先輩たちが引退する日を迎えたのだ。
栗山先輩
栗山先輩
莉奈
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
栗山…先輩……

ずっとお世話になっていた先輩なだけに、胸が締め付けられる。


引退 は先輩たちの今までの努力のバトンを受け継ぐ大事な日なのに。


私の顔は涙でぐちゃぐちゃだ。


栗山先輩
栗山先輩
泣かないの。あなたは人一倍頑張ったんだから
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
でも、私が新部長なんて……


そう。

今日の引退の時に、新部長と新副部長の発表があった。


私は新部長として、栗山先輩の跡を継ぐことに。帆夏は新副部長となった。


栗山先輩
栗山先輩
みんな、一番部長にふさわしいのは莉奈だって言ってた
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
ほんと…ですか?
栗山先輩
栗山先輩
うん。そして、誰よりも私があなたを部長にしたかった


栗山先輩が誰よりも私を部長に……?


信じられないような言葉に戸惑ってしまう。

栗山先輩
栗山先輩
この一年、部長は正直…プレッシャーもあって、キツかった。部長は誰でも簡単なことじゃない。でも、部長になれる人間はその力が認められているのよ。


それって……私にもその力があるってこと?

その力を栗山先輩や先生、他の先輩たちが認めてくれているってこと?

栗山先輩
栗山先輩
どの部活でも、部長になれる人間は一人。孤独なのよ。でもそれは、みんながその人を信じてるの。だから、自信を持って。
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
は、はい……頑張ります


私の夢は、目標は……栗山先輩だから。


何事も完璧な栗山先輩に違いない。


栗山先輩
栗山先輩
でも、私もダメダメな部長だった。みんなに頼りっぱなし。
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
そんなことないです。いつも栗山先輩は完璧でした。だから、私も完璧な先輩になります
栗山先輩
栗山先輩
何言ってるの?

私の言葉は遮られた。


何を言っている……って言われても、自分の目標だけど。

栗山先輩
栗山先輩
完璧じゃなくていい。少しくらいみんなに頼ることも必要だからね。

そっか、そうだよね。


人間なんて完璧じゃない。

完璧に見える人がいたとしても、自分がその部分しか見てないだけだから。

自分の限界を知って、自分ができる精一杯のことをすれば、それでいいんだ。


佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
私、部長頑張れそうです。本当に今までありがとうございました。
栗山先輩
栗山先輩
そう、やっぱり私の目は正しかったわ
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
先輩、私……先輩を超える部長になります


つい、口走ってしまった言葉を脳裏に浮かべ、自分が言ってしまった事の大きさを知る。


先輩を超える部長なんて……どれだけ自分でハードル上げてんだ。


栗山先輩
栗山先輩
やだ、ハードルもっと高くするべきだったわね

先輩はそう言って、微笑んだ。


私もつられて、笑みを零した。