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第3話

#2
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
んん……

どれくらい眠っていたのだろうか。


重い瞼を開くと、そこには……

佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
ひゃあっ!


顔立ちは整っていると否定したくてもできない見覚えのある顔。


風でたなびく少し茶色い髪。



これは、紛れもなく……笠原柊斗だ。


どうしてコイツの顔が私の目の前に……!?


笠原柊斗
笠原柊斗
先輩、そんな驚かなくたっていいじゃないですか


コイツはそう言ってははっと笑う。


いやいや、笑い事じゃないんですけど?


笠原柊斗
笠原柊斗
軽い貧血ですって

貧血か……私多いからなぁ。


って、そんなことより。


佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
何しようとしてたの
笠原柊斗
笠原柊斗
もしかして怒ってます?あ、僕がキスしたかと思ってました?
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
べ、別に?そんなことは思ってないけど?


そんなこと……思ってるわけがないじゃない。


ただ、馴れ馴れしい後輩くんの顔が目覚めた時に目の前にあっただけ……そうよ、それだけよ。


そんなことで動揺なんかしない。


笠原柊斗
笠原柊斗
まあ、しようとはしてましたけど
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
はあ!?


しようとしてた!?


ありえないでしょ。


付き合ってるわけでもなく、今日あったばかりで、名前しか知らない。


そんな相手からキス!?


無理無理。一年間を共に過ごしたクラスの男子でも無理なんだから。



笠原柊斗
笠原柊斗
だって、先輩の寝顔可愛いし?
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
人の寝顔とか見るんじゃない!


私は布団を自分に覆いかぶせた。

笠原柊斗
笠原柊斗
可愛いですよ
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
口説かないで。そんなに簡単にコロッと来てほしいならそこら辺の女子見つけな
笠原柊斗
笠原柊斗
先輩、俺が誰でもいいからキスしたいだけの後輩に見えてません?


心を読まれてる……?


佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
でも、実際そうでしょ
笠原柊斗
笠原柊斗
違いますよ〜、莉奈先輩だからです


私だから?


でも、本当に会ったのは今日が初めてで。


ただの同じ学校の先輩と後輩。


それ以上でも以下でもない。


笠原柊斗
笠原柊斗
先輩、今日の朝、バス降りた後に誰かと一緒に話してたじゃないですか
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
あぁ……


朝は確か、豊原くんと委員会のことについて話してたと思うけど。


笠原柊斗
笠原柊斗
彼氏ですよね?


は?


私の頭はクエスチョンで埋め尽くされていく。


豊原くんが彼氏なわけがない。

笠原柊斗
笠原柊斗
奪いたいな〜なんて思ったりして

"奪いたい"

今まで言われたことも無く、言われる予定もなかったこの言葉。


少しドキッとした気持ちに私は蓋をした。
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
彼氏じゃないし、奪われたくもないし、別にあんたとこれから必要以上に関わっていくつもりもない


これが私の本音……だと思うから。


これさえ、伝わってくれればいい。


佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
とにかく、出てってよね


私は冷たく彼を追い払う。



布団に潜っている私には彼の表情は見えない。


笠原柊斗
笠原柊斗
でも、僕は諦めませんから

ドアの閉まる音が聞こえる。


それはいいのだけれど……


「でも、僕は諦めませんから。」


脳裏で繰り返されるこの言葉。



全然伝わってない!


私の儚い願いはどこへともなく消え去った。