誰もいない体育館。
私は一人でサーブとアタックの自主練習。
みんなに迷惑かけてた分
みんなより遅れてた分
頑張らないといけないの。
汗がポタポタと垂れてきても、手がきつくなってきても……
自分に厳しく、自分を鍛え上げる。
甘えられない。
゛ガチャ ゛
扉が音がした。
誰かいる?
いや……いた?
私は恐る恐る扉の方へ歩み寄り、周囲を見回したが、誰もいなかった。
それから私は9時まで、7時の部活終了から2時間練習をした。
もうそろそろ帰らないと、お母さんに心配されちゃう。
私は扉の近くに置いていた水筒とタオルを取る。
すると、ヒラヒラと小さいメモ紙のようなものが落ちた。
私はその紙に書かれていた文章を読み上げた。
柊斗?
きっとこの文面から読み取る限り、柊斗が書いたものだろう。
てことは……さっきの音も柊斗だったわけ?
私はこの紙を握りしめた。
何よりも私のエネルギーの源になってくれる気がする。
頑張れる。
ありがとう……柊斗。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。