机に伏せてジタバタする私を帆夏が慰める。
そう……運命のくじのせいだ。
私は思い切って、一番初めに触れたくじを取った。
こういうのは変に選んだりすると外れたりすることが多かったから。
でも、なんと書かれていたのは 『委員補佐』という絶対に目にしたくなかった文字で。
帆夏は何と言ったらいいのか分からない中、私の背中をさする。
そうだ、柊斗は委員になっていないのだろうか。
学年が違うとはいえ、委員であれば何らかの形で共同作業があるだろう。
それに賭けるしかない!
そう思った私は放課後になると、私は柊斗の教室に向かって走った。
自分で他学年の階に行ってはいけないと柊斗に注意したことがあるものの、私の足は止まらなかった。
私は放課後の教室にいた柊斗に声をかける。
柊斗も委員だということに少し胸を撫で下ろす。
デートくらい、いつでも出来る。
確かにそうだけど、少し複雑だった。
デートはいつでも出来るという言葉にずっと付き合うといってくれたと思う反面、柊斗デートをそんなに楽しみにしてなかったんじゃないかという気がして。
こんなこと、今まで考えたこと無かった。
あーぁ。
どうしてこんなふうに考えちゃうんだろ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!