私は時計を見た。
13時28分。
テレビを見ながら寝ちゃったのか。
もうお昼時。
お昼ご飯食べなきゃ……とは思いつつも、もう少しこのままだら〜っとしていたい。
しかし、私は体の正直な グゥ〜 という空腹の合図には逆らえず、キッチンに行った。
そこにあったメモを見ると、どうやら冷蔵庫の中にチャーハンが入っているらしい。
私は冷蔵庫を開け、チャーハンを取り出し、電子レンジで温めた。
誰もいない家でたった一人でチャーハンを食べる。
そういえば、小学生の時にもあったなぁ……
あの頃はお母さんも今以上に仕事が忙しくて、一人の時が多かった。
ポツリと出たこの言葉。
高校生になった今、私はまだ寂しいんだ。
誰かに深い愛で包み込まれたい
もしそう思っているのなら……
私のことを包み込んでくれる人は誰なのだろう。
その時、私の脳裏にはある人物が浮かび上がった。
私はそう決めつけ、チャーハンを黙々と食べ続けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!