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第22話

奪われた心
私は家を飛び出し、走った。


けど……よく考えてみれば、私は柊斗の家を知らない。

いつもは、バス停で別れるから。


じゃあ、何故柊斗は分かったのか。

家の話をした記憶は殆どない。


佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
これは聞いてみないと分からないな


私はそう思って、柊斗に電話をかけた。


゛プルルル…゛


笠原柊斗
笠原柊斗
もしもし
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
柊斗!あんた、どうして私の家知ってたの?あんたの家どこ!?
笠原柊斗
笠原柊斗
ちょ、先輩……あんたって言っちゃってますよー


あ……気がつけばすぐ言ってしまう。


私の悪い癖だ。


佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
で、どこ!?
笠原柊斗
笠原柊斗
個人情報です
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
あん……柊斗だって私の家知ってるでしょ!?不平等よ!個人情報って……私があんたの家知って被害ないでしょ!?
笠原柊斗
笠原柊斗
さっきから勢いがすごい……


勢い……は確かに凄いかもしれない。


普通の女の子が男の子との電話で出す声ではないであろう。

もし仮に出したとしても、大喧嘩してるくらいかな。

笠原柊斗
笠原柊斗
もう少し……お楽しみはとっておきたかったんですけどねぇ〜


お楽しみ……?


家がお楽しみなの?


笠原柊斗
笠原柊斗
先輩今どこですか
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
今は……公園のとこだけど
笠原柊斗
笠原柊斗
じゃあ、スーパーの角を右に曲がって、まっすぐ歩いてください


私はそれから柊斗ナビの案内に従って歩いた。


けれど、もうヘトヘト……


いつもならこれくらい、へっちゃらなんだろうけど、今日はまだ病み上がり。


こんな時にこんなに歩かせるなんて……って文句も言いたいけど、お願いしたのは私なんだもん。


仕方ない。


笠原柊斗
笠原柊斗
先輩、じゃあ左に曲がって
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
え……


そこは見覚えのある……なんてもんじゃない。


正真正銘……


私の家だ。


笠原柊斗
笠原柊斗
お、その反応はどうやらしっかり目的地に到着したようですねぇ……
佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
あ、あんた、バカにしてんの!?私は柊斗の家を教えろって言ってんの!
笠原柊斗
笠原柊斗
じゃあ、そのまま裏に回って右に曲がってみてくださいよ


えっ……


ここって、私の裏の家の隣の家。


表札は……笠原?


笠原柊斗
笠原柊斗
おめでとうございま〜す


この声は……電話から聞こえる声じゃない。


私は上を向いた。


すると、2階の窓から手を振っている柊斗の姿が見える。


佐々木 莉奈
佐々木 莉奈
柊斗……


ずるいよ。


ずるい。





私の体力も女らしさも奪って……



心まで奪うなんてさ


あんたは何者?