もしも、
そう、例えばの話。
もしも虹が7色ではなく、
6色だったら。
君ならどうする?
" そこ " に俺の存在が無くなったとしても、
" 虹 " が例え6色になったとしても、
きっと君らなら泳ぎ続けれるはずなんだよね。
. ゜*。:゜もしも虹が6色だったら。. ゜*。:゜
こんにちは、
どうも俺、フィッシャーズのザカオです。
あんまし動画に出ないし印象薄いかもしんないけどメンバーのダンサー担当です。
そんな俺は今日、
久しぶりにダンスレッスン?が終わって仕事も無い。
つまり午後は暇ってわけ。
久しぶりに家におじゃましようかな。
確かシルクの家に集合してるらしいし。
アニメかゲームのキャラクターみたいにセリフを街中で呟いてしまい、
つい恥ずかしくなる。
シルク、引っ越したらしいよな。
家の場所よく聞いてなかったからわかるかな〜…
不安を持ちつつシルクの家らしき所に向かう。
表札?みたいなのを見るとシルクの苗字が書かれている。
絶対ここだ。
……少しサプライズ的なのやろうかな。
そ〜っと入ってから『わぁー!』って。
ンダホの反応見たいしw
静かに音を立てずにドアを開ける。
傍から見たら泥棒だ。
そ〜っと歩き軋む音さえたてなかった。
中からはみんなの笑い声が聞こえる。
特に目立っていたのはシルクとンダホの笑い声だ。
みんなの驚く顔を想像すると笑えてくる。
笑うのを我慢し、
ドアを開けた。
ガチャっ!
独特な笑い方に思わず笑がこぼれる。
相変わらずモトキは無反応。
その場にはダーマの姿はなかった。
仕事かそれとも用事でもあるのか、
はたまた買い物かなんかか。
やっぱりこいつらといると楽しい。
ここにいてよかったって思える。
まわりを見てみると誰も笑ってない。
あのンダホとマサイでさえ。
みんなが動揺してる。
焦っている。
一体何が起きてるんだ?
え?
は?
ド、ドッキリ?
なにかのドッキリ?
きっと『帰ってきたメンバーに他人のふりしてみた』みたいな動画だろ。
ドッキリ。
そうこれはドッキリなんだ。
バラエティ番組やYouTubeでよく見る人を騙すやつだよ。
ほら、
シルクとかモトキって演技うまいでしょ?
ドッキリだってうまいじゃん。
そう言い聞かせてるのに、
不安と恐怖でいっぱいいっぱいだ。
自然と笑顔が強ばる。
他のメンバーもだ。
小声であまり聞き取れない。
たしかになにか喋ってるんだ。
俺のことを。
はっきりと聞こえた。
誰?
誰って、俺はザカオだ。
フィッシャーズのダンサー担当の…
ホラー苦手な意外とビビリなあのザカオだよ。
ほら、
たまに踊ったりしてお客さんを楽しませてるじゃん。
覚えてるよね?
フィッシャーズのザカオ。
フィッシャーズのザカオなんだ。
フィッシャーズの……
ザカオなんだよ…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。