第4話

小話 ー彩ー
185
2019/07/30 13:23
あれは、小学校6年生の水泳の記録会のときだった。

私は泳ぐのが得意で、学校の代表として市の水泳記録会に出ていた。
彩
はあ、はあ、、、はあ。
泳ぎ終わって、結果を見に行こうと思い、プールから上がる。一番奥のレーンだったから、1番最後に出た。
プールサイドで息を整え、顔を上げる。
彩
、、、あれ?いない?
前にいた人達がいなくなってしまった。
彩
(ど、どうしよう!?)
初めて来た屋内プールで、場所がわからないから、前の人たちについて行こうと思っていたのに、、!!
彩
(や、やばい、、!!と、とりあえず誰か係の人に、、)
そう思い、辺りを見回すも、どの係の人も忙しそうでとても捕まえられそうになかった。
彩
どうしよう、、、っ
泣きそうになった、その時。
男の子
男の子
ねえ
彩
!!は、はい?
男の子
男の子
今さっき、泳いでた人でしょ?
知らない男の子が声をかけてきた。
彩
は、はい。
男の子
男の子
だよね。だったら、あっちに行けばいいよ。分かる?あのオレンジのとこ。
彩
オレンジ、、あ!はい、分かります
男の子
男の子
そこに泳ぎ終わった選手は集まるから。
彩
そうなんですね、、!
あ、ありがとうございますっ
男の子
男の子
どういたしまして。
お疲れ様。いい結果だといいね。
彩
あ、
男の子
男の子
じゃあ、俺は行くね。
そう言うと、その男の子は人混みの中に消えていった。
彩
、、、ありがとうございましたっ
彩
(かっこよかったな、、、あ!オレンジオレンジ!!)
その人のおかげで、何とか同じ学校の人と合流することが出来た。
彩
(どこの小学校の人だったんだろう、、)
私は、クロールで惜しくも4位だった。
それでも同じ学校のみんなにすごく褒められた。
嬉しかったけど、内心助けてくれたあの人のことでいっぱいだった。
「県大会に出場することになった児童は、前に集まってください。」
ボーッとして見ていると
彩
あっ!!!
モブ子
モブ子
ど、どうしたの?
彩
あ、ごめん。なんでもない、、
彩
(す、すごい、、、)
あの人は自由形、クロール、メドレーでいずれも1位になっていた。
モブ子
モブ子
あ、またかー。
彩
え?また?
モブ子
モブ子
あ、彩は初めて来たもんね。去年もあの男の子ブッチギリの1位でさ、凄かったよー。
彩
名前は?
モブ子
モブ子
え?えー、、、と、確か
「片野 俊殿       あなたはーー、、」
彩
かたの、、しゅん、、、。
モブ子
モブ子
?て言うか、そんなに気にして、どうしたの?
彩
え?いや、別に。上には上がいるもんだなーって。
モブ子
モブ子
あー、確かにw
その日から、学校のプールを見る度に、あの人のことを思い出した。
他人のことをさっと助けることが出来て、水泳が得意。そんなことしか分からなかったけど、私はどうしようもなく、あの人に惹かれていった。
彩
(片野、俊、、、。)
また、どこかで会えるといいな、、。



















--------キリトリ線--------
誤字脱字あったらごめんなさい。
読んでくださってありがとうございました。

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