二学期になった。
私は、いつの間にか莉奈を避けるようになった。
彩はそう言ってくしゃくしゃっと、私の頭を撫でた。
金管の練習でも、後輩や彩とばかり喋るようになった。まあ、莉奈はみんなに引っ張り回されてるから、そんなに気にしてなさそうだった。
今、理科で零とは班が一緒になっている。
席替えの時、めちゃくちゃガッツポーズをして慌てて彩に諭された。
結局、零が私のことが好きだと言ったのは本当なのか、その場でとっさについた嘘なのか、本当のことはわからずじまいだった。
運動会も、無事終わり。6年生がずっと楽しみにしていた修学旅行がやってきた。
2人してあくびを噛み締める。
修学旅行1日目は朝早くに学校集合になっていた。
私はホテルの部屋も、バスの席も、自由行動も彩と一緒にした。ここ何ヶ月かで彩とはすごく仲が良くなった。
みんな楽しそうに次々とバスに乗っていく。
私は前の方だから、最後に乗ることにした。
通路を挟んだ隣は男子になっていて、クラス一のお調子者と、クラス一の秀才なのによくふざけてる2人が座っていた。
バスが出発してすぐにバスガイドさんによるゲームが始まった。
みんなで盛り上がるのはすごく楽しくて、嫌なこととかも忘れて楽しんでいた。
それでも、朝が早かったのもあってか、高速道路に入るとほとんどみんな眠ってしまった。
私はしばらく彩と話していたが、彩も寝てしまったため、仕方なく隣の男子と話していた。
1日目はとくに面白いことも無かったので割愛☆
2日目
今日は遊園地に行くことになっている。
in遊園地
パンフが配られると、蜘蛛の子を散らすようにみんな一斉にアトラクションへと向かった。
それからその遊園地のお化け屋敷を全制覇した。ほかにも、めっちゃくちゃ寒いところとか、フードコート、観覧車に行った。ミラーハウスでは、頭を強打した。
楽しかった修学旅行も、あとは帰って到着式をするだけだ。バスに乗ってしばらくはみんな起きていたけど、高速に入ったらまたもや寝てしまった。
私と、彩と、私たちの隣の男子2人は起きていた。
振り返ると、零は後ろの方で手を振っていた。
零はこちらにくると、私たちと男子の間の補助席に座った。私は通路側に座っていたので、零の隣になった。
小声で彩が茶化してくる
続く
--------キリトリ線--------
読んでくださってありがとうございました。
誤字脱字あったらごめんなさい。
修学旅行編、次に続きます。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!