第2話

🕯️
430
2019/03/20 09:15















- 「せんいるちゅっかはむにだ~ ♩」









.









- 「さらんはぬんうりじみな~~♩♩」









- 「せんいるちゅっかはむにだ~~ッ。♥」









- 「じみな~、おめでとう!」




- 「こっち向いて!写真撮るから!!」




- 「ほら~、てひょなもこっち向いて?」




- 「じみな、ろうそく消そッ!」









「「「 せーのッ!!! 」」」




「ふ~~っ」









- 「きゃあっ、じみなおめでとう~!!」









僕はその日、5本のろうそくを吹き消した。









僕の命もこのろうそくのように呆気なく消える








あと少しだけ




" あかりえるまで "




どうか僕のそばにいてください。



















.



















「···」




はっと目が覚めて心臓に手を当ててみる









「よかった、まだ生きてる···」




視界にはなに1つ汚れのない真っ白な天井




少し横に目をむけるとたくさんの点滴や機械









下を向くと青い衣服を着た僕




呼吸をすると病院独特のにおい。









- 「ぱくさん、体調はどうですか?」




カーテンが開けばそこには看護師さんの姿









「あ、大丈夫です、」




- 「そう、それならよかったです。」




-「これ今日のお薬なので必ず飲んでくださいね。」









「···はい、」




薬を飲んでも治療をしても絶対に治らない僕の病気。




余命宣告を受けているのに、


そんなお金をかけて治療しても無駄なのに···




それでも、死が怖いのは


まだ生きていたいからなんだろうか?









「···」




ベッドの上に出されたテーブルに置かれた水と薬




飲む気なんてさらさらない。









- 「ぱくさん、体調いかがですか?」




隣のほうから聞こえる看護師さんの声









僕と同じ苗字の人なんてこの病室にいたっけ?




「あの、看護師さん。」









- 「どうしましたか?どこか痛いですか?」




「いえ、あのぱくさんって···」




- 「あぁ、あなたさんですか?」




「···はい、」









あなたさんって言うんだ···




- 「じみんさんにはまだ紹介していませんでしたね。」




「?」




- 「昨日、この病室に移ってきたぱく・あなたさん」




「は、はぁ···」




自分から聞いたくせになんて答えていいのか分からない









『私がなんですか?』




カーテンの隙間から顔をのぞかせたのは









点滴スタンドに手を置いてこちらを見ている



可愛らしい女の子だった。









『なんか用ですか?』




「あ、いえ、僕と同じ苗字なので···」









- 「あなたさんっ、あまり動かないでって言ったでしょう」









看護師さんからの注意をガン無視して僕の手を握った彼女




『じみんさん、お友達になりたいです。』



















「·····え?」









君のことをもっと知りたいと思った。














プリ小説オーディオドラマ