第5話

過去のこと 5
3,180
2023/01/27 10:00
優太side







あれから数日後。




今日は家族全員集まって話し合いをする日だ。




みんな
..........


辺りには、険悪な空気が流れている。




海人
海人
.........グスッグスッまぁ、ま.....グスッ


そんな沈黙を破るのは、海人の泣き声だけだ。





優太
優太
海人.......っしょヨシヨシ



僕はそんな海人を抱き上げた。



廉
グスッグスッ
紫耀
紫耀
うわあぁぁんグスッ



そして、海人につられて廉と紫耀も泣き出してしまう。




玄樹
玄樹
大丈夫だよ〜
勇太
勇太
こっちおいで〜



玄樹は廉を、勇太は紫耀を抱いた。




そんな僕達を見て叔父さんが口を開いた。





叔父さん
......やっぱり、君たちは一緒にいるべきだな.....笑





叔父さんの言葉に、僕は声が出なかった。








それって..........






どういう意味、?






叔父さん
....優太くん。君が成人したら、6人のことは君に任せよう。
叔母さん
ちょっ、兄さん…?







胸がドクン、と高鳴る。





叔母さんも驚いてるけど、僕はきっとそれの何倍も驚いてる。




嘘、だろ.......





6人で、いれる.......のか?





僕は玄樹の方を向いた。





すると玄樹もこちらにキラキラな瞳を向けていた。








玄樹
玄樹
..........優太にぃ!
優太
優太
玄樹........!




僕たちは、ハグをした。






廉
んぅ.......




間にいた廉が、苦しそうに声をあげたけど、笑








何はともあれ、6人でいれる........!














と気分が高鳴っている僕には気づかなかったことを、勇太が言った。






勇太
勇太
でも......優太にぃが成人するまでは......?


はっとした。






そうだった。





僕が、成人するまでは......?





僕は今14歳、中学2年生だ。





成人......20歳になるまで、あと6年。






それまでは、?























叔父さん
それまでは.......残念だが、バラバラになる事になる。



優太
優太
そんな.........

叔父さん
真希、何人預かれる?
叔母さん
私は.......二人、かな。あと、小さい子は難しいかも、





真希叔母さんの所で2人。叔父さんは1人。 







じゃあ........余った三人は........













叔父さん
じゃあ........あとの三人は、施設になるな.....






!!










施設......












その言葉は、僕の中でDVとか、離婚とか、そういう家庭環境がうまく行っていない所の子供が行くイメージがあった。








僕たちはそういうんじゃないけど、そこに入るとなると、そういう偏見も持たれるのかもしれない。









何より、僕がその偏見を持っていた事が僕の心に傷をつけた。









叔父さん
優太くん。君は僕の所で預かろう。後のためにね。そして、真希の所で玄樹くんと勇太くんを預かる。
紫耀くんと廉くんと海人くんは、施設で預かってもらおう。それで良いか?


優太
優太
.........っ






正直、それは物凄く辛い決断でもあった。






いつかは6人でいられるのかもしれないけど、




それまでの過程が辛い。












でも。
















それが6人でいる未来に繋がるなら、これくらい我慢しないと。













きっとお母さんもそう思うよね?














だから。













皆も辛いかもしれないけど、少しだけ、我慢してくれ。




















優太
優太
.............分かりました。









叔父さん
.......よし、決定だ。
叔父さん
施設の三人は一緒に入れるかもしれないが、難しいかもしれない。

優太
優太
.......っ分かりました


























その数日後、施設が三人別々の所に入る事になったと連絡が来た。







































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