第10話

過去のこと 10
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2023/02/21 11:46





優太side






優太
優太
グスッ......紫耀、ありがとうな、
紫耀
紫耀
んっ、.....しょうもあしょぶ
優太
優太
っしゃ、遊ぶか!
紫耀
紫耀
たっち!優太にぃおにね!
優太
優太
は?ふたりで鬼ごっこする系?
紫耀
紫耀
あははっこっちだよー!
優太
優太
あっ、待てー!































"楽しい時間はあっという間"。











その言葉は、何回か聞いたことはあったけど、こんなに身をもって自覚したの初めての事だった。











叔父さん
そろそろ時間だよ




叔父さんからそんなメールが送られてきたのは、出発の20分前の事だった。







2時間以上無我夢中で皆と遊んでいたのに、体感時間は30分くらいだったのが、怖いとも感じた。




















優太
優太
んし、そろそろ行くか













小さな声で言ったはずだったのに、隣にいた紫耀には丸聞こえだったみたいだ。








紫耀
紫耀
!!........やだっ、しょう行かないよ
優太
優太
っ.......
廉
ん?行くってどこに?
海人
海人
楽しいところ?
玄樹
玄樹
廉、海人....
勇太
勇太
紫耀っ、












あぁもう、今の俺の涙腺は呪われてるみたいだ。







涙は、枯れる事を知らない。






優太
優太
グスッ....グスッグスヒック....うぅっ、、
玄樹
玄樹
優太にぃ....
優太
優太
ご、め.....グスッ
勇太
勇太
謝ることなんてないよ?
涙が出るのは、当然の事だから。






じゃあ、勇太。





勇太も泣きたいの?





玄樹も、紫耀も、廉も、海人も、皆泣きたいの?





それを、俺が遮ってる?





だとしたら、俺が皆を助けないと。














優太
優太
グスッ.......げんき。ゆ、た。しょ、れん。かい。








俺は声を絞り出した。








皆、優しくて暖かな目で俺を見つめる。










優太
優太
皆、、ごめん、情けない兄ちゃんで、ごめん。
優太
優太
今日は、沢山泣いて良いから....
優太
優太
その涙は、俺が全部受け止める。
優太
優太
こんな俺が、できるか分かんないけど、
優太
優太
長男としての最後の試練を、果たしたい。
 











言い終わってから、少しだけ後悔した。




こんなにも情けない俺が、そんなのできる訳ないのに。




俺が、涙をこらえられていないというのに。




なのに、どうしてこんなこと....





長男としての最後の試練なんて....俺は長男である資格が無いのに、どうしてあんなこと言ったんだろう....





























そんな俺の後悔を全て洗うように、皆は俺のまわりに立った。














最初に口を開いたのは、玄樹だった。












玄樹
玄樹
........優太にぃは、情けなくなんか無いよ












そんな事、絶対無いのに。





きっと、この中で一番情けなくて、かっこ悪いのは俺だろう。





なのに、どうして玄樹はそんな事....





どうしてそんなに優しい言葉を掛けてくれるんだろう。










玄樹
玄樹
僕は....少なくとも僕は、優太にぃの優しさとか、あったかさに救われた。
優太
優太
玄樹....
玄樹
玄樹
確かに優太にぃは、人より不器用かもしれない。だけどさ、不器用と情けないって、違うと思うんだよね
玄樹
玄樹
不器用でも、人を笑顔にできる包囲力が、優太にぃにはあるよ。







玄樹の方を見ようと顔を上げると、玄樹の頬には涙が伝っていた。



優太
優太
玄樹っ......こっち、おいで?
玄樹
玄樹
優太にぃっ.....グスッ








泣いていて息が弾んでいる玄樹の肩を、俺は抱いた。




俺ができる事は、これくらいしか無いから。




せめて、これくらい。




精一杯、やってやりたい。

















その姿を見ていた他の4人は、涙を堪えながらこちらを向いていた。







特に、勇太。








優太
優太
勇太.....
勇太
勇太
優太にぃ.....全部、受け止めてくれるんだよね?
優太
優太
っ......あぁ、
勇太
勇太
グスッ......ギュッ
優太
優太
ギュッ







優太
優太
紫耀、廉、海人も。こっちおいで
紫耀
紫耀
ぅんっ、
廉
ゆたにぃ〜グスッ
海人
海人
グスッグスッ








紫耀はともかく、廉と海人は何も知らないのに、泣いている。



何か悲しい事が起こることを、察したのだろう。























この事が分かる人も、わからない人も。






全部抱きしめる。




後悔は、させない。














いや、皆少しはするかもしれないけど、



少しでも心が軽くなれば、良いな。




俺のハグが、誰かを救えるんだったら、


俺は何度だって抱きしめる。










だから、



いつか俺がしたハグを、



思い出してくれれば良いな。






































作者
なんかずっとこういう系のやつだらだら書いてて前に進んでないですね💦
作者
ほんとすみません、
作者
次はいよいよ別れのシーンです













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