第11話

過去のこと 11
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2023/02/23 11:53






優太
優太
.......はあっはあっ...すみません、遅くなって。
叔父さん
いや、大丈夫だよ。
それより....








さっきまで泣いてたからか、俺達の目は皆腫れてるのを、叔父さんは心配してくれた。





優太
優太
大丈夫ですっ....
叔父さん
そう、か...



叔父さん
......よし、行こうか。







叔父さんのその一言は、あぁもう終わりなんだと言う言葉と等しかった。





いよいよ。




いよいよ、別れの時だ。




























海人
海人
グスッ........ゆったにぃ....?どこいくの?
優太
優太
........大丈夫、大丈夫だからな。






海人からの質問もろくに返す事が出来ない俺は、なんて儚いんだろう。









叔父さん
では......先に、海人くん。









新幹線の行き先的に、海人と、廉と紫耀で行き先が違うから、海人は一足先にここを旅立つ。
















叔父さん
海人くん、こっちにおいで?
海人
海人
ふぇ......?







俺は腕の中にいる海人を下ろそうとした。













その瞬間。
















海人
海人
うわあぁぁぁぁん!や!かいそっちいかないぃ!!!ゆったにぃが良いぃぃ!!








海人が急にぐずりだしてしまった。












優太
優太
海人。お願いだから....
海人
海人
や!ゆったにぃ抱っこぉぉぉ!!!グスッグスッ






海人の泣き声がそこらに鳴り響く。





きっと、海人も何かに気付いたんだろう。




海人
海人
グスッグスッうわあぁぁぁぁん!











あぁ.....
















この手を、離したくないな....







ずっとずっと永遠に抱いていられたら、どんなに良かっただろう。





もしも。





もしも、お母さんが亡くなってなかったら。




もしも、お母さんがここにいたら。




そしたら、今も、これからも、ずっと笑顔でいられたのかな....





そんな考えを巡らせては、ダメだ、忘れなきゃ、とも考えて首を振る。



























優太
優太
海人.......ごめんな。













俺には、何もできないんだ____________















優太
優太
.......お願いします
叔父さん
.......あぁ。
 










愚図っている海人を無理矢理にはがして、叔父さんの胸に渡していく。












海人
海人
ゆったにぃ.....?グスッグスッうわあぁぁぁぁん!
 

















優太
優太
海人!!!
海人
海人
!!





優太
優太
....強くなれ。今より、もっともっと。
優太
優太
強くなって、またここに戻ってこい。



海人
海人
.........









きっと、この言葉は海人には伝わっていない。








でもきっと、次会う時までには、理解できているだろう。






その日を信じて、海人には前に進んで欲しい。








優太
優太
海人....ごめんなっ、
海人
海人
っ.......ゆったにぃ....グスッ




























海人
海人
ばいばいっ、





























優太
優太
っ.......














涙が溢れそうになったけど。




最後は笑顔で手を振る。



それはずっと前から決めてた事だから、守らなきゃ。




そう思って、目の奥に力をこめ、震える手を大きく振った。




















優太
優太
海人.......またな。





















俺は、最後にそう言いはなった。
















































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