よし、行こう。
「あの…」
「ん?」
振り向いた同時に胸の高鳴りが激しくなった。
「先日は、どうもありがとうございました、あのハンカチお気に入りだったので、、」
「あー!入学式のときの子!いえいえ〜!可愛かったね、あのハンカチ」
「えと、、誕生日に友達からもらったものなんです。」
「そうなんだ、いい友達だね!そういえば、名前は?」
それ私が聞こうとしたやつーー!!!
「山本あなたです。」
「おっけ、あなたちゃんね。俺は3年の、桐谷颯斗(はやと)。よろしく!じゃ、俺行くね。
またね〜!」
初めて話して確信してしまった。
聞こうとした名前をさきに聞かれた。
またねって、また会えるのかな、
また話しかけてもいいってことなのかな、
とりあえずこういうことは紗江に報告しなきゃ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。