第4話

🌷flower🌷
81
2020/10/28 08:08
神社に行く前に花屋によって、花を買った。ピンクのチューリップだ。
優樹はよろこんでくれるかな。
そんな期待を胸に弾ませている。
「あら、お嬢さん。こんな遅くにお参りかい?」
神社に着くと、優しそうなおばあちゃんに声をかけられた。
「あ、いえ、待ち合わせです。」
私もおばあちゃんの様に優しく微笑む。
私の予想外な目的を聞いて、おばあちゃんは目をまん丸くした後、またにまにまと笑った。
「そうかい。そうかい。早く来るといいね。」
おばあちゃんはうんうんと頷くと、すぐ真横のベンチに腰掛けた。
ですね。という意味も込めて、私も笑顔で頷く。
私の手の中のチューリップは、静かに風で揺れている。
まるで首を長くして優樹を待っているみたいに。
「そういやね。お嬢ちゃん。」
おばあちゃんが突然、思い出した様に話題を振りかけてきた。

















「この前、ここの神社の前の道で、交通事故があってね・・・。」






















それは、私の今を壊す言葉だった。
突然、脳に衝撃が走る
「・・・・・・っ!」
私はその場で倒れ込んだ。
だんだんと痛みがなくなり、意識が薄れてくる
おばあちゃんが駆け寄ってきて、肩を揺する。
「ジコ」「コウツウジコ」「ユウキ」
そんな言葉が何度も頭の中をぐるぐるとまわる。
痛くて痛くて、、、
おばあちゃんが電話を耳に当て、叫ぶようになにか訴えている。













_________そこで、私の意識は途絶えた。






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