奏太side
「なんか虚しくない?」
そういう乃愛の目は遠くを見つめていて
「大丈夫だよ。」
そうやって乃愛は1人で抱え込んでまた、俺らの前から消えるのか?
『じゃあ、本気ならいいのか?』
「ッッ!…な、に言ってんのよ!あははっ」
言った瞬間、少し怯えた表情をして俺から目をそらす。
「大丈夫だから。ほんとに!」
そう言った。
チッ、何に怯えてるんだよ。
『そうかよ。まぁなんかあれば俺が何かしてやる』
「ん、ありがと」
『まぁ俺の予想では また女子に呼び出されるな』
「うぇ!やめてよね 奏太が言うとシャレになんないから」
『なんでだよ』
「昔から予想がよく当たる人でしょ」
『そうだっけ?』
「そうよ。」
『まじか 俺最強。』
なにそれ とくすくす笑う
やっぱり笑顔が乃愛には似合う。
しばらく雑談を楽しんでいれば
ホームに電車が滑り込んできた
「じゃあね!また明日」
『おう、またな』
挨拶を交わせば 扉は閉まり電車は遠ざかっていった。
『ふぅ
──・・・ねぇ何してんの?お前。』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。