第14話

反応
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2018/09/02 04:44
教室の前に到着すれば
手を離してくれる。


そう思った私が甘かったのか、繋ぎっぱなしでお構いなく扉を開ける


「え?ちょっ…!」



教室にいゆみんなの視線は私達からしたの方にある手にむかう。恋人繋ぎをしている手に


「キャーー!」「チッ」「・・・。」
「えっ!?え?」


ほんと様々な反応。
騒ぐ女子もいれば嫉妬に塗れた視線を送る人もいる。
男子はほとんどポカーンと口を開けたまま固まっている。

「ちょっ!翔琉?!」
『なーに?』 悪気はありません。みたいな顔で見られても!
「なーに?じゃなくて!手を繋いだまま教室入らないでしょ!」
『えぇー?なに気にしてんの?乃愛。』

耳に顔を近づけてボソッと言う

「ッッ!」 顔に熱が集まる。

恥ずかしすぎて、死ねる!
離そうすれば力を入れれば、また翔琉の手に囚われた。



「ヒューヒュー!」
ここぞとばかりに囃し立てる男子


「…ゴホン! 白瀬、福田 早く席に着きなさい」

『はぁーい。』「え、はい。」
今度はパッと、手を離して席に歩いてゆく。

なんなのよ!
あっやばい、誤解を解く時間がなかった…。

周りを見渡せばニヤニヤしながらこちらを見る男子、睨みを効かせる女子。

(ひぇー、)

せめての救いの光咲に目を向ければ

「ふっ」

嘲笑われた。
隣の倖ちゃんは哀れみの視線を向けてくる


(そ、そんなぁ〜。)


元凶に文句を言おうと思えば、

「すぅーー。すーーー。」


寝てやがる。


もう大人しく授業受けよ…。自分がバカバカしくなってきた







───これは始まりに過ぎなかったことに
私は思ってもみなかった。

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