倖side
「『うっわぁ〜!』」
「久しぶりだな」「久しぶりね」
目の前に広がる景色は ここら辺じゃ有名な遊園地。
ここのジェットコースターやお化け屋敷は世界でも有名なほど恐ろしいらしい
俺らの前には目をキラキラさせてはしゃぎまわっている乃愛と翔琉 園児みてぇ。
光咲とは1回来たことがあるから 2回目だな。
初デートがここだったなぁ…
あの頃の記憶を呼び起こし悦に浸っていれば 乃愛の元気な声によって遮られる
「乗り物全制覇ー!」「おぉー!」
ほんとに園児に見えてきた…
「ふふっ」
隣からは楽しそうに目を細めあの二人を見ている俺の彼女の笑い声が聞こえる
…可愛い。
でも翔琉をみてんのはあまりいい気はしないが…まぁ今日はいいか
今日は翔琉のためにあると言ってもいいしな
「ほら置いていかれちゃう早く行きましょ?」
「おう」
そういい少し冷えている手を握った
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「翔琉!!ほんとあのせいでいろいろ面倒事に巻き込まれてんのよ!」
「ごめん、ごめん気づかなかったんだって」
「じゃああそこにいる女子共をどうにかしてよね!」
「えぇ、」
まぁここ数週間 乃愛は廊下ですれ違えば何かを言われ 嫌がらせがあったからなぁ
大丈夫かと思い少し気にかけてみたが
「ん?大丈夫よ こんなのしったこっちゃないし」
なんていい「ブス」と書かれている紙を破いて捨てた
ほんと強いヤツだなぁ流石 光咲の親友だ。
それからまぁ問題が止むわけなく原因の翔琉に乃愛が冷たく接しだした
「乃愛〜?」
「なに?」
「お菓子いる?」
「いらない。」
こんな会話が後ろから聞こえてくるいつもならもっと盛り上がるんだがな
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まぁそれに翔琉が耐えれなくなり 今日は機嫌取りみたいな感じでこのダブルデートが始まった
翔琉が乃愛を好いているのを俺と光咲は知っているから今日付き合ったんだが…乃愛は鈍感すぎねぇか?
あんなん傍からみればもう彼氏彼女だろ。
「乃愛は鈍感なのね」
なんて俺と同じことをいう光咲
「ほんとな…」
やっぱり"幼馴染"だからだろうか?
「まぁ今日で惚れさせればいいんじゃね?」
「私は無理と思うわ」
「ばっさり言うのな」
「ふふっそうね。まぁ面白そうだし、いいんじゃない?」
"それに久々の倖とのデートだし"
そういい 腕を絡ませてくる。
「っ!!…そうだな」
「ええ。」
顔が熱い…ほんと ときどきでかい爆弾を落とすもんだからたまったもんじゃねぇ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。