第22話

見栄張り
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2018/10/14 07:15
LINEのメッセージには既読 という文字がついているが 光咲からの返信は来ない

そのまま合流することなく大体のアトラクションを翔琉と乗り終わり 太陽も傾いて来た頃 残すのはあと二つとなった

そのひとつの前で──


「ちょ、ちょ ここはやめよ?ね?ね?」
『なんで?アトラクション"全部"制覇するでしょ?』


ニッコリと微笑み"全部"を強調して私の腕を引っ張る翔琉

イケメンスマイルが今の私にはブラックに見えてしまう
ぐいぐいと引っ張っられる先は お化け屋敷だ。
ここは、廃病院をもとに造られたもので本物が出るとかの噂もあるし心霊番組にも取り上げられる程有名だ。

「そ、そうだけどぉ ほら倖くんと光咲もいたほうが…」
『いま空いてるんだから行こうよ・・・まさか乃愛ってビビりなの?怖いのなら辞めようか ?乃愛が可哀想だもんね?』
「っ!怖くないから!こんなん余裕だし」
『そう、じゃあ大丈夫だね』
「あ、え」

しまった 悪癖の見栄をはってしまった。負けず嫌いな性格なこと分かって…るな。この顔はわざとだな。

上を見ればニコニコとしている翔琉が目に入る
ルンルンとしているのが握られている手越しに伝わる。苦手の人をいたぶりやがって!

(こいつもドSかよ!)

と心中で嘆く


「ああぁ〜、」
腕を引っ張られ入口に着いてしまった
(もうここまで来たなら腹を括るしかっ 大丈夫大丈夫全部偽物。作り物なんだから)
そう自分に言い聞かせる

「じゃあ2人で」
『はぁい。それでは腕をみせてくださーい』


陽気な係員の声が聞こえる 言われるままに腕につけているフリーパスをかざし
ピッと無機質な音が耳に届く

『それではいってらっしゃい、楽しんで〜』



"やっぱりムリ!!"



自己暗示をしていても建物に入った瞬間全てが無駄になることを知った

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