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こんなに幸せなことが自分にあっていいのだろうか。
ジミンさんのために、
あんなに酷い別れ方をした相手のために、
綺麗で透明な涙を流すあなたさんを見ていると
無性に好きが溢れて、
止まらなくなって、
気づいたら告白していた。
本当は流れで告白する予定ではなかった。
もっと落ち着いた状況でするはずだった。
でも今、自分の気持ちを伝えないと後悔してしまいそうで。
心が脆く、謙虚なあなたさんは、
まるでタンポポの綿毛のように
ふわふわと飛んでいってしまって
私の前から消えていなくなってしまいそうで。
今日一日で多くのことがあり、精神が不安定なときに、、、
と、自分でも思ったが、
放っておくと、背負っている沢山の重みで潰れてしまいそうで。
そんなあなたさんの体を包み込んだとき、
私の胸で静かに泣いていたとき、
自然と「好き」と言葉にしてしまっていた。
凄く驚いた顔をしていた。
それはそうだよ。
同姓である女が、しかも出会って2日もしない人からの告白だもの。
驚かないはずがない。
それでも好きだから。
付き合えなくてもいいから。
どうしても一緒に居たいと思い、
私の家に来るように言うと
と、寂しいような嬉しいような表情をしていた。
そこで咄嗟に、
と、おどけてみせた。
少しでも距離を縮めるのに必死で。
それに、私の中であなたさんは姫も同然だ。
だから、
だから、
そんなふうに悲しい顔をしないで、、、
どうか、、、
ジミンさんやお姉ちゃんを忘れて、、、
私を好きになってよ、、、、、、。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。