どうか僕の隠していることには気づかないで、、、
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どのくらい経ったのだろう。
ずっとこのままも相手に悪いと思い、
抱き付いていた体を離して、
恐る恐る顔をあげる。
そこには優しく微笑んでいるチュナさんがいた。
長い前髪で顔を隠しても、
キャップを深く被っても、
前髪の隙間から見える色素の薄い、
綺麗な二重瞼の目からチュナさんであることはすぐに分かった。
まるで小さい子をあやすような声と
頭を撫でられる温もりは
私の中にスーっと溶けるように入ってくる。
すると、
頭に置いていた手を移動させ、
私の手に絡ませるようにして
そのまま、手をぎゅっと握り締められる。
すき、、、
私を好き??
チュナさんが??
.
今は頭が回らない。
私を好き、、
ジミナに言ってもらいたかったなんて
勇気を持って告白してくれたチュナさんには
死んでも言えない。
.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。