そして、次の日
山田くんと待ち合わせした場所に行くと、
すでにいた山田くん。
だけど、まだこちらに気づいてないよう。
山田くん»どこにいんの?
連絡が来たから、電話を折り返した。
そんなイラつかなくてもいいのにってくらい、
電話の向こうでイラついた様子を醸し出す山田くん。
止まっていた車の中から、ようやく私の乗ってる車に気づいたようで急いで乗り込んできた。
いつも車に乗せてもらってるから、たまにこっちが
車を出してやろうと思ったのに。
ほんと、いちいちムカつくことを言うんだから。
どこ行くか言ったらつまんないじゃん。
だから、まだ内緒にしておきたかった。
赤信号でチラッと横を盗み見ると、眠そうに
瞬きをする山田くん。
相当疲れてんだろうな。
山田くんは、そう言うと安心したように目を閉じて、すぐ寝てしまった。
着いて山田くんを起こそうとした時は、
超嫌な顔をされた。
私だって、本当は幸せそうに寝てたから起こしたく
なかったんだから許して欲しい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。