第35話

035 帰宅
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2018/08/08 02:57


でも、と断ろうとしたけど、また頑固って言われそうだし、それも気に入らない。
あなた
じゃあお願いします
涼介
よし、帰るか


オシャレな音楽を聴きながら、来た道を戻っていく。
あなた
あー、名残惜しいー
涼介
また来ればいいじゃん。車があればすぐ行けるし


なーにカッコイイこと言っちゃってんだ、山田くん。
あなた
へー、また乗せてくれるんだ?
涼介
車の中で暴れなければ
あなた
あーあ、そういうこと言うんだ。言わなければかっこいいって言われるのに勿体無い


俗に言う、残念なイケメンってやつだね。



それから無事に、地元の行きつけのスーパーでお酒を買って、家まで送ってもらって。
あなた
ありがとうね
涼介
おう、気をつけてな
あなた
いや、気をつけるのそっちだから。寝ないように
涼介
わかってるって


そう言葉を言い残して、山田くんは帰っていった。





それから、しばらくの間は山田くんと会うことはなかった。



親友曰く、山田くんたちは今、コンサート中らしくて、忙しいとか。


まぁどうでもいいけどね。



連絡来なくても関係ないんだけどね。



ただ、ついこの前まで、うるさいくらい連絡来て、会ってたから、少しつまらないというか...ただそれだけ。




学校からそのまま帰ってきて、出かけるのもめんどくさいから、久しぶりにベッドの上に寝転びながら山田くんからもらったキーホルダーを見ていた。



もちろん思い出すのは、あの日、海に連れて行ってもらった日のことで。
" また来ればいいじゃん "




って言ってくれた山田くんの声が、今も鮮明に残ってる。



ただ、流れで言っただけだったのかなー。



結構本気にしていたから、少し残念な気持ち。



あれから、音沙汰もない、山田くんからの連絡。



どうでもいいと思いつつ、少しモヤモヤしている自分がいた。

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