第56話

055 儚く散った...
1,753
2018/08/14 11:16


その日は休日で、バイトだった。



バイトが終わって、スマホ見たら一番上に
表示された通知に思わず目を見張った。



は?なに言ってんの?全然意味わかんないんだけど。あ、もしかしておちょくってるとか?



そう思って、返信も来なくて。
モヤモヤした気持ちのまま次の日。




学校に行くと親友に、驚くことを告げられた。
親友
ねぇ、これって、あなたじゃない?


親友からスマホを渡されて、画像を確認すると



この前、山田くんと一緒に車に乗ってた時の
写真っぽくて。



頭の中がパニックで、真っ白になった。
あなた
え、これ、なんで?


親友がたまたま見ただけであってくれ...。



そう願うように聞いた。



でもその思いは儚く散った。
親友
ついったーで流れてきたのー!
もうびっくりしたよ〜



その言葉に山田くんから昨日、送られてきた言葉は、おちょくってるわけじゃなくて、本気だったんだと気付かされた。


そして、初めてついったーで山田くんのことを検索してみたら、大量にヒットした山田くんの写真やら動画やら。



いくらスクロールしても山田くんのことを
呟いたツイートは出てきて。



彼は、私が思ってたよりもはるかにたくさんのファンに愛されているアイドルであることを、思い知らされた。



それと共に、この写真が出回ったことで、山田くんのアイドル生命に大きな傷がつくことも理解して。



こんなこと最初から分かってたはずなのに。



気づけてたはずなのに。



そう思うと血の気が引いた。






あなた»ごめんなさい






今までありがとうってことも伝えたかったけど、
そこは耐えて、LI〇Eをブロ削した。




山田くんと出会ってそんなに経ってないけどたくさん出かけて、たくさん思い出を作れて本当に楽しかった。



車なら大丈夫なんて思って、気を緩めたのが悪かったな...。



今までの山田くんとの思い出は、
全部、心の奥底にしまうことに決めた。

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