第40話

040 イルカ嫌い
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2018/08/15 20:34


それから、言い合いをしながら、ようやく
山田くんもサメが見えたようだった。
涼介
あー、もう俺は満足。〇〇さんは?何見たいんだっけ
あなた
クラゲとイルカ
涼介
じゃあ、見に行こっか


山田くんが、また足早に歩いていって、
それに着いて行った。


クラゲを見たあと、館内放送で、もうすぐ閉館だと
アナウンスされて。


だんだん人が減ってきていた。
涼介
あ、そこイルカいる。ちょっと俺、先行ってていい?
あなた
え、あ、イルカ嫌いとか?
涼介
うん...まぁそんなとこ。出口の手前で
待ってるから、早く来いよ


イルカが嫌いなんて珍しいなと思いながら、イルカを見て満足したあと、出口前に急いで向かった。



当然、山田くんは先にいると思ってたけど、
まだいなくて。


辺りを見渡してると、走ってきた山田くん。


そして、脇には...。


ペンギンのぬいぐるみを抱えていた。
あなた
ねぇ、なんでペンギン持ってんの?
涼介
ん?あ、これ?友達にお土産で欲しいって言われてさ


そういうことか。にしても結構大事そうに
抱えてる姿が、ツボだ。
涼介
いつまで笑ってんだよ
あなた
いや、ペンギン似合うなって思って
涼介
嬉しくないわ


でもね、車に戻って、まずペンギンを後ろの席に置いてあげて。しっかりとシートベルトを付けてあげて、一人の人間のように扱う山田くんを見たら、いつもとギャップありすぎて、笑うでしょ。



なんか、またかなりイメージ変わったなとか思いながら、高速に乗って、来た道を戻ってく。



一時間後、見覚えのある店や、道が見えてきて、
家の前で車を止めてくれた。
あなた
楽しかった。ありがとう


そう言って、降りようとする腕を掴まれた。
涼介
〇〇さん、お土産見る時間なかったでしょ?だから、これあげる
あなた
え?いいの?ありがとう


山田くんに渡された袋を見ると、水族館限定で売ってるような、お菓子の詰め合わせが入ってた。
涼介
またな


そう言って、車を発進させた山田くんを
見えなくなるまで見送ってから家に入った。

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