第7話

ある日の喫茶ポアロ
2,068
2022/04/25 13:49

数日後




時刻は午後4時51分。
10月も半ば。
この時間帯ではもう、日が沈み始めてていた。
榎本 梓
榎本 梓
ふ〜…お客さん、 
みんな帰られましたね〜
安室透
安室透
そうですね〜
安室透
安室透
今日は、梓さん5時までですよね?
榎本 梓
榎本 梓
はい、そうですよ!
安室透
安室透
じゃあもう
上がっちゃって大丈夫ですよ、
榎本 梓
榎本 梓
え、ホントですか?
安室透
安室透
はい、
今日はこの後ご予定があるのマスターから伺ってるので、
榎本 梓
榎本 梓
そうなんです〜
久々に友人と映画に!
安室透
安室透
そうなんですね〜
じゃあ、楽しんできてくださいね、
榎本 梓
榎本 梓
はい!ありがとうございます!
お先でーす!
安室透
安室透
お疲れ様でした!
バックヤードに向かって、エプロンを解きながら笑顔で梓が出ていく。
そして、偶然・・───────


カランカラン


彼女はやって来た。
安室透
安室透
いらっしゃいませ〜…
安室透
安室透
おや、あなたさん
私
お久しぶりです。安室さん
そう言い、彼女は微笑んだ。
その言葉と笑顔で、
今までどれだけの男をおとしてきたのか、
ふと、頭をよぎった思考を消して、
安室透
安室透
お久しぶりです。
安室 透の笑顔仮面を貼り付ける。
私
今日丁度、この近くに用事があって
私
この間、探偵事務所に来た時からこの喫茶店、気になってて…
私
来ちゃいました!
身長的に当然だが、
安室の方が見下ろす形となる。
女性の中では高身長、さらに現在彼女が履いているのはヒール


男である安室と比べればその差は一目瞭然。
恐らく10cm程度の差。
必然的に彼女は上目遣いとなる。
安室透
安室透
(…まぁ、美人は認める

一瞬ドキッとしたなんて。
…仕方ない、男としての本能だ。
仕方ない。仕方ないんだ。


そう、自分に言い聞かせた。
私
わ〜…喫茶店〜…
オシャレ〜
私
何これー可愛い〜
彼が一人、こんなことを考えているなんで知る由もなく、
彼女は店の中を見渡していた。
























まるで、生まれて初めて喫茶店に入ったかのように

プリ小説オーディオドラマ